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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.07.03 12:09
更新日: 2020.07.03 14:28

GTE・GT3統合論。ベントレーが「2021年早々にも」と提案する一方、カスタマー重視のポルシェは別の視点も

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ル・マン/WEC | GTE・GT3統合論。ベントレーが「2021年早々にも」と提案する一方、カスタマー重視のポルシェは別の視点も

 ポルシェが6月上旬、2020年末でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTLMクラスからファクトリーチームを撤退させると発表したことで、この先参戦台数が減少するGTEカテゴリー(WECのLMGTEクラスおよびIMSAのGTLMクラス)の将来について疑問が生じている。

 そんななか、ベントレーのモータースポーツ責任者は、GT3がGTレースにおける世界トップの規格になるべきである、と語る。

 ベントレーはコンチネンタルGT3で、2014年から世界中のレースに参加している。

 そのモータースポーツ活動を取り仕切るポール・ウイリアムズは、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大という世界的な健康危機と、それに関連して低迷する経済活動のさなかに、トップレベルにおいてふたつの異なるGTプラットフォームを継続するのは「間違い」だと考えている。

 ウイリアムズは、“確立された”性能調整(BoP)システムをもってすれば、(GTEより格下にあたる)GT3マシンは、WECとIMSAのGTカテゴリーにおけるベンチマークにもなりうるし、ル・マン24時間レースでクラス優勝をかけた戦いもできる、との考えを示す。

「とくに今後数年は、投資が非常に難しくなる」とウイリアムズ。

「何か違うマシンや、複数のカテゴリー向けの仕様を作ろうとした途端に、コストは跳ね上がる。すぐにコストが上がってしまうんだ」

「我々はものごとをできるだけ長い間、シンプルに保たなければならない。今後数年は人を増やすことはないだろう。開発に金をかけるような人材は必要としていない。そうしていれば、健全なレースができるだろう」

「私個人としては、GT3がさまざまなシリーズにおいて、現在のGTEの座に収まったら喜ばしいと思う。GTEから人々が去っていくほど、その実現可能性は高まっていく」

 ウイリアムズは、2021年の早い時期であれば統合が可能だと提案する。2022年には、すでに承認された新しいGT3の技術規則が施行される予定だが、「それより早く始められない理由が分からない」とウイリアムズは言う。

「WECの運営組織などは、迅速な変化が可能であることをここ最近で示してきていると思う。レース参戦に投資したいという人たちのことを考えるなら、理にかなったことだ」

 ウイリアムズは、コロナウイルスのパンデミックが経済を低迷させているいま、GTレースの将来を評価することが必要であると説明する。

「もし深刻な財政危機に陥ったら、誰も今後数年のうちに投資を行なうことはできないだろう」

「主催者たちは、一部のチームは生き残ることができないかもしれないことを考慮しなければならない。レースへの参加者は減るだろう。だからレースを残していくために、我々はもっと安価に、誰にとっても参加しやすいものにしなければならない」

2020年2月のバサースト12時間レースを制したベントレーは、このMスポーツのファクトリー・プログラムも含め、現在9つのカスタマーチームにサービスを提供しているが、現在2020年のワークス・プログラムについては保留状態だという。
2020年2月のバサースト12時間レースを制したベントレーは、このMスポーツのファクトリー・プログラムも含め、現在9つのカスタマーチームにサービスを提供しているが、現在2020年のワークス・プログラムについては保留状態だという。

■カスタマーの視点を重要視するポルシェ


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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