7月4日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で第1戦以降、中断が続いていたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2020年シーズン第2戦『ウェザーテック240』がアメリカ、フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われ、マツダモータースポーツのジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル組55号車マツダRT24-Pが、2時間40分のスプリントレースで総合優勝を飾った。
新型コロナの蔓延によって2020年シーズンの中断を余儀なくされていたウェザーテック・スポーツカー選手権が、1月末に行われたデイトナ24時間以来、約5カ月ぶりに再開された。
2度のカレンダー変更を経て迎えた再開ラウンドのデイトナ戦。その予選ではエリオ・カストロネベス駆るアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05がポールポジションを奪取した。マルチマチックと提携し、マツダチーム・ヨースト改めマツダモータースポーツとして再出発した日本メーカーの77号車マツダRT24-P、55号車マツダRT24-Pが2、3番手に続き、4番手にはペンスキーのもう1台でチャンピオンマシンである6号車アキュラARX-05がつけた。
■ウエットとスリック、タイヤ選択が分かれるスタートに
予選の約3時間後に予定されていた決勝は、雷をともなう強雨の影響をうけてスタートディレイに。その後、天候が回復したことからレースは約50分遅れでフォーメーションラップが開始され、2周のパレードランののちに戦いの火蓋が切られた。
スタート直後、雨上がりのダンプ路面のなかファン・パブロ・モントーヤ駆る6号車アキュラが前を走る77号車マツダを交わして3番手に浮上するが、すぐに55号車が順位を取り戻しアキュラは4番手にドロップ。そのモントーヤはスタートから10分後にいち早くピットに戻ると、ウエットタイヤからスリックに交換してふたたびコースへ。
ウエットタイヤを履いてスタートした他の上位陣もこれに続くように続々とピットに戻ってスリックタイヤに履き替えていく。最後にタイヤ交換を行った77号車マツダがトラックに復帰した時点での首位は、スリックタイヤでのスタートを選択したウィレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rで、同じ作戦を採った開幕戦ウイナーのコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックが2番手。タイヤ交換組のアキュラ勢はトップから約30秒差、マツダ勢は40~50秒のギャップを築かれることとなった。
その後、レースは31号車キャデラックがリードした状態で進んでいくが、後方からマツダの2台がハイペースで追い上げをみせスタートから1時間後には55号車マツダが2番手、僚友77号車も7号車アキュラを交わして5番手に順位を上げていく。
マツダ勢の好ペースはその後も衰えをみせず、レース折返しを迎える直前ついにボマリート駆る55号車が31号車キャデラックを捉えて首位に浮上する。さらに、10号車キャデラックと6号車アキュラを交わして3番手にポジションを上げていた77号車マツダもチェッカーまで1時間を迎える前に31号車キャデラックを攻略。マツダがワン・ツー体制を完成させた。
その後、マツダの55号車と77号車は盤石の走りで他車を寄せ付けず、そのままの順位でフィニッシュ。2020年シーズン初優勝をワン・ツー・フィニッシュで飾ってみせた。3位には終盤に追い上げをみせたマスタング・サンプリング・レーシング/JDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.Rが入り、6号車アキュラが4位となった。なお、ポールシッターの7号車アキュラはエンジントラブルに見舞われリタイアとなっている。