ACOフランス西部自動車クラブは7月17日、新型コロナウイルスの“パンデミック”によって開催が9月19~20日に延期された第88回ル・マン24時間レースのエントリーリストをアップデートし、出場台数が62台から60台へと減少した最新版リストを公開した。
新型感染症の蔓延にともなう開催延期や感染拡大を防止するための新しいスケジュール、これに関連する観客数の制限などがすでにアナウンスされている2020年のル・マン24時間。WEC世界耐久選手権の2019/2020年シーズン第7戦として行われる同レースの暫定エントリーリストも、今年2月と6月の過去2度にわたって公開されてきたが、その更新版が主催団体であるACOから発表された。
本番の約2カ月前というタイミングで出されたリストを見てみると、最上位クラスであるLMP1クラスからチームLNTの5号車ジネッタG60-LT-P1・AERが姿を消し、同チームは6号車のみのシングルエントリーに改められていることが分かる。
またLMP2クラスでは、リック・ウェア・レーシング(ライリーMk30・ギブソン)とパフォーマンステック・モータースポーツ(48号車オレカ07・ギブソン)というふたつのアメリカンチームが出場を撤回。
さらに前回発表された暫定エントリーリストでリザーブリストから昇格してきたハイクラス・レーシングの2台目(20号車オレカ07・ギブソン)も今大会から撤退することとなった。このマシンには元F1ドライバーで長年、コルベット・レーシングで活躍してきたヤン・マグヌッセンが搭乗予定だった。
GTEクラスでの変更点は、クリスチャン・ニールセンを起用してProクラスを戦うことを計画していたギア・レーシング(81号車フェラーリ488 GTE Evo)の脱落だ。
■5減3増で60台となるも、リザーブカーは0台に
これらのチームに代わってフランスの耐久クラシックレースの出場権を掴んだのは、リザーブリストの1番枠に入っていたドラゴンスピード・USA(27号車オレカ07・ギブソン)と同2枠のアイアン・リンクス(60号車フェラーリ488 GTE Evo)、そして3番目に名を連ねていたチーム・プロジェクト1(89号車ポルシェ911 RSR)の3チームだ。
ドラゴンスピードは27号車の参加によって、すでにLMP2クラスのリストに名を連ねている21号車とのマルチエントリーに。ドライバーラインアップはヘンリック・ヘドマン、ベン・ハンリー、フェリックス・ローゼンクヴィストのトリオで登録されている。
ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦しているアイアン・リンクスと、昨年のGTE-Amクラスウイナーであるチーム・プロジェクト1はGTE-Amクラスから出場を予定。デイビッド・コルクマンを登録ドライバーとしているポルシェチームは、WECにフル出場している2台と合わせて計3台体制でル・マンに挑むことになる。
なお、リザーブカーリストの4枠目に登録されていた日本のD’station Racing(96号車アストンマーティン・バンテージAMR)は本戦出場のリストに登場せず。同時に今回の発表ではリザーブリストそのものが公開されていない。
これは9月19~20日に開催される第88回目のル・マンに出場するクルマが最大60台となることを示し、万が一、現在のエントリーリストから出場を撤回するチームが現れることになれば、グリッドに並ぶクルマの数が60を割ることを意味する。
■2020ル・マン24時間 暫定エントリーリスト LMP1
No | WEC | Team | Nationality | Car | Driver | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | W | レベリオン・レーシング | CHE | レベリオンR13・ギブソン | B.セナ N.ナト G.メネゼス |
MI |
3 | レベリオン・レーシング | CHE | レベリオンR13・ギブソン | R.デュマ N.ベルトン L.デルトラス |
MI | |
4 | バイコレス・レーシングチーム | AUT | エンゾCLM P1/01・ギブソン | T.ディルマン ─ ─ |
TBN | |
6 | W | チームLNT | GBR | ジネッタG60-LT-P1・AER | M.シンプソン ─ ─ |
MI |
7 | W | トヨタ・ガズー・レーシング | JPN | トヨタTS050ハイブリッド | M.コンウェイ 小林可夢偉 J-M.ロペス |
MI |
8 | W | トヨタ・ガズー・レーシング | JPN | トヨタTS050ハイブリッド | S.ブエミ 中嶋一貴 B.ハートレー |
MI |