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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.08.16 17:35
更新日: 2020.08.16 17:38

WECスパ:トヨタ8号車“謎の失速”はエンジンの「保護モード」が原因。優勝の7号車にも発生

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ル・マン/WEC | WECスパ:トヨタ8号車“謎の失速”はエンジンの「保護モード」が原因。優勝の7号車にも発生

 WEC世界耐久選手権のLMP1クラスでTOYOTA GAZOO RacingのTS050ハイブリッド8号車をドライブするセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーは、8月15日に行なわれた第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝中に2回起きた“謎の失速”について説明した。

 ブエミによって序盤のリードを築いたトヨタ8号車だったが、ドライブトレーンを守るために自動的に働く「プロテクション(保護)・モード」に入ってしまうというエンジン関連の不具合が起こり、たびたびタイムをロスすることとなってしまった。

 この問題はまず、レース1時間目にブエミが急減速を強いられた際に明らかになった。さらに、2時間目に導入されたセーフティカーラン中にピットインしたあと、ハートレーも同様の問題の影響を受け、7号車に大きくおくれを取った。

 ランキング2位でスパに挑んだ8号車は、7号車と比べてサクセス・ハンディキャップで若干有利な条件だったため、この問題には「少しがっかりした」とブエミは認める。

「今日は8号車にとって厳しいレースとなった」とブエミはレース後に語った。

「僕は非常にいいスタートを切り、リードを奪うことができた。ただその後、小さな問題がたくさんあり、それらに適切に対応できなかった」

「ターン18で大幅に減速し、8秒を失った。再起動ができなかったんだ。ブーストに関して、少し問題があった。その問題はしばしば起き、ブレンドンのピットの際にも起きてしまった」

「そのために、僕らは7号車をつかまえることができなかった。彼らとてもいいレースをしたと思う」

「僕らが今日経験したすべての小さな問題には、ちょっとがっかりだよ」

 一方、ハートレーはこの「プロテクション・モード」の起動に起因するパワーロスにより、約30秒を失ったと語った。このロスは、7号車の小林可夢偉に余裕を与える結果となった。

「バッテリーのレベルが下がっていた」とハートレーは言う。

「システムのある一定の点で、バッテリーのレベルが低すぎたために加速することができなかったんだ」

「これはチームが確認しなければならないね。以前にこの問題が発生したかどうかは分からない。でもル・マンではなく、今日起こったのは幸いだったよ」

「ドライブトレーンを保護するためのセーフティ・モードだったんだ。再発防止策について少し調査する必要があるけど、彼らはきっと事態を把握してくれて、ル・マンに向けては心配がない状態にしてくれるだろう」

 TOYOTA GAZOO Racingのテクニカル・ディレクターであるパスカル・バセロンは、2台のTS050ハイブリッドがともにこの問題に直面したことを明らかにした。

 だが、8号車のトラブルのタイミングと深刻さは、7号車のそれに比べより大きいものとなってしまった。

「とある状況になると、エンジンがプロテクション・モードに入ってしまった」とバセロンは説明する。

「7号車では、8号車の後に問題が発生したため、それ発生したときに素早く対応できた。 8号車は最初に問題が起きてしまったので、対応が少し難しかったのだ」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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