ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブは9月11日、第88回ル・マン24時間レースの更新版エントリーリストを発表した。1台体制でエントリーする予定だったチームLNTのジネッタG60-LT-P1がリストから姿を消し、この結果最高峰LMP1クラスはトヨタGAZOO Racing2台、レベリオン・レーシング2台、そしてバイコレス・レーシング1台という、全5台で争われることになった。
9月19〜20日に決勝が行なわれるル・マン24時間レースは、WEC世界耐久選手権2019/20シーズンの第7戦。ACOは8月25日に発表していたエントリーリストを更新し、TBAとなっていたドライバーがすべて埋まるとともに、ジネッタの撤退により参戦台数は再び59台へと減少している。
ジネッタは当初、クリス・ダイソン、マイケル・シンプソン、ガイ・スミスがドライブする予定だった。Sportscar365に提供されたジネッタの声明によると、新型コロナウイルスの感染拡大に関連する不確実な状況が、撤退の決定に影響したという。
「チームLNTのジネッタG60-LT-P1・AERは、2020年のル・マン24時間レースに参戦しない」と声明には記されている。
「フランスにおけるCOVID-19の感染者数は、パンデミックが始まって以来最高のレベルに達している。帰国する際には隔離が義務づけられるため、これは事実上、コンストラクターであるジネッタのファクトリーを、4週間閉鎖しなければならないことになり、ジネッタの核であるイギリスのチャンピオンシップにも影響することになる」
「大幅に変更されたWECのスケジュールを含め慎重に検討した結果、ル・マン24時間レースには出場しないという決定をした。代わりに、ファクトリーは次のシーズンに備えてマシンのテストとリファインに集中するつもりだ」
ジネッタのファクトリーチームであるLNTは、2019/20シーズンの開幕4戦に出場したが、昨年12月のバーレーン8時間レースを最後に、レースを欠場し続けている。
このほか、エントリーリストではLMP2のドラゴンスピードUSAより、ファン・パブロ・モントーヤの出場が確定した。ただしモントーヤは当初報道されていたピポ・デラーニではなく、ミモ・ロハスに代わっての出場となった。
LMP2クラスのリシャール・ミル・レーシングチームでキャサリン・レッグの参戦見送りによりTBAとなっていた3人目のドライバーとしては、バイツケ・ビッセがラインアップされた。タチアナ・カルデロン、ソフィア・フローシュとともに、3人すべてが女性ドライバーという編成で挑む。
LMGTEアマクラスにおいてもいくつかのアップデートがあった。既報のとおりMRレーシングにおいては関口雄飛に代わってヴァンサン・アブリルが参戦するほか、TBAとなっていたプロトン・コンペティション78号車のラインアップに、ポルシェ・モービル1・スーパーカップのドライバーであるマックス・バン・スプランテレンが加わった。
さらにデンプシー・プロトン・レーシング99号車には、フランス人のジュリアン・ピゲが、ヒューゴ・デ・サデラーに代わって起用されている。
これでエントリーリスト上でTBAとなっていたドライバーはすべて埋まり、全59台・177人のドライバーラインアップが出そろった。第88回ル・マン24時間レースは新型コロナウイルスの影響により短縮日程で行なわれる。走行初日は9月17日木曜日、現地時間10時からFP1が行なわれる。
■2020ル・マン24時間 暫定エントリーリスト LMP1
No | WEC | Team | Nationality | Car | Driver | Tyre |
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1 | W | レベリオン・レーシング | CHE | レベリオンR13・ギブソン | B.セナ N.ナト G.メネゼス |
MI |
3 | レベリオン・レーシング | CHE | レベリオンR13・ギブソン | R.デュマ N.ベルトン L.デルトラス |
MI | |
4 | バイコレス・レーシングチーム | AUT | ENSO CLM P1/01・ギブソン | T.ディルマン B.シュペングラー O.ウェッブ |
MI | |
7 | W | トヨタ・ガズー・レーシング | JPN | トヨタTS050ハイブリッド | M.コンウェイ 小林可夢偉 J-M.ロペス |
MI |
8 | W | トヨタ・ガズー・レーシング | JPN | トヨタTS050ハイブリッド | S.ブエミ 中嶋一貴 B.ハートレー |
MI |