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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.09.19 03:18
更新日: 2020.09.19 13:25

IMSA&WEC:“LMDh”規則の詳細発表。ハイブリッドシステム供給メーカーも明らかに

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ル・マン/WEC | IMSA&WEC:“LMDh”規則の詳細発表。ハイブリッドシステム供給メーカーも明らかに

 ACOフランス西部自動車クラブ、およびアメリカでスポーツカーレースを統括するIMSAは、2022年の採用を目指す『LMDh』レギュレーションを最終決定し、共通ハイブリッドパワートレーンやマシンのディメンション、コストなどについて発表した。

 ル・マン24時間が開催されているサルト・サーキットから9月18日金曜日に配信されたACOのカンファレンスにおいて、IMSAとWECにおける次期トップカテゴリーに参戦可能な”LMDh”レギュレーションの詳細が明らかとなった。

 LMDhは現在IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰クラスで採用されているDPiの発展形規則であり、IMSAは2022年よりこれを採用する予定だ。一方、ル・マンを含むWEC世界耐久選手権は2021シーズンよりLMH(ル・マン・ハイパーカー)規則をトップカテゴリーに採用する。

 IMSAとWEC(ACO)間の合意によって、LMHとLMDhマシンは相互乗り入れが可能になり、1台のマシンでデイトナ24時間の最高峰クラスにも、ル・マン24時間の最高峰クラスにも参戦できるようになる。

 以前に発表されているように、LMDh車両はダウンフォース:ドラッグの比が4:1と定められ、出力は500kW(670hp)、重量は1030kgに揃えられる。

 加えて今回の発表ではディメンションも明らかとなり、ホイールベースは全車共通の3150mm、全長は5100mm以下、全幅2000mm以下。ボディ上面形状はマニュファクチャラーによる開発が許されるが、フロアについては変更不可となる。

 各マニュファクチャラーが開発する内燃エンジンは630hpを発揮、これにボッシュから供給される50kW(67hp)の電気モーターが組み合わされる。このモーターは最大200kWの回生能力を持つ。

 ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが製造するバッテリーシステムを含むハイブリッド・パワートレーン全体には、30万ユーロのコストキャップが設けられる。

 また、ハイブリッドのソフトウェアにはロックがかけられ、これによりチームごとに専任のハイブリッド・エンジニアを置く必要がなくなる。

 一方、承認された4つのシャシーコンストラクター(オレカ、リジェ、マルチマチック、ダラーラ)が製造して供給するLMP2ベースのシャシーに関するコストは最大34万5000ユーロに制限されるが、これにはXトラックが供給するギヤボックスは含まれない。Xトラックのギヤボックスは、4つのシャシーすべてに標準装備される。

 ACOとIMSAは、エンジンを除いたLMDhマシンの総コストは100万ユーロになると予測している。

「IMSAとACOが1月のデイトナでコンバージェンス(収束・収斂)をアナウンスして以来、コンペティターにとって同じマシンでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にも、WECにも出場できる機会が生まれたことにより、多くの一流自動車メーカーから具体的な問い合わせの数々を受け取り、回答してきた」とカンファレンスに出席したIMSAプレジデントのジョン・ドゥーナン。

「今日、最終形の規則を発表するにあたり、我々全員が非常に励まされると同時に、自信を持つに至った。さらに多くの(参戦)メーカーが名乗りを上げるだろう」

「間違いなく、トップレベルの耐久スポーツカーレースには、非常に明確で具体的、かつ明るい未来がある」

 なお、ACOのピエール・フィヨン会長は新型コロナウイルスの影響がなければ、6月にこれをアナウンスするつもりだったと明らかにした。

 フィヨンはまた、WECのトップクラスが来季から“ハイパーカー”と呼ばれることを確認した。

 このカテゴリーには、新たなLMH規則に合わせて作られたマシン、新規則の適用除外を受けるLMP1ノンハイブリッドマシン、そして2022年から導入されるLMDhマシンが参戦可能となる。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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