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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.09.20 21:55
更新日: 2020.09.21 04:26

中嶋一貴組トヨタが3連覇達成! 小林可夢偉組7号車は無念のトラブルに泣く/ル・マン24時間決勝レポート

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ル・マン/WEC | 中嶋一貴組トヨタが3連覇達成! 小林可夢偉組7号車は無念のトラブルに泣く/ル・マン24時間決勝レポート

 WEC世界耐久選手権2019/20シーズン第7戦・第88回ル・マン24時間レースは、レース中盤からトップに立ったトヨタGAZOO Racingのセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組8号車トヨタTS050ハイブリッドがトップチェッカーを受け、トヨタが2018年の初優勝から3連覇を達成した。

 トヨタ7号車TS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組)は12時間経過時点まで順調にレースをリードしていたが、可夢偉のドライブ中にターボトラブルが発生し、ピットでの修復に30分近くを費やしたことで優勝争いから脱落。2019年も残り1時間のところで勝利を逃した7号車クルーにとって悲願であるル・マン制覇は、またしても達成できなかった。

 2021年から新規定『ル・マン・ハイパーカー(LMH)』に移行する最高峰LMP1クラスは、トヨタの2台のハイブリッドマシンのほか、ノンハイブリッドのレベリオン・レーシング2台とバイコレス・レーシングチーム1台、計5台がエントリー。トヨタは2016年からレースに投入している「TS050ハイブリッド」最後のル・マンで、3連覇を目指して戦った。

 トヨタ7号車は予選ハイパーポールで、可夢偉が自身の持つラップレコードに迫るタイムを記録しトップタイム。一方、一貴がアタックした8号車は1号車レベリオンR13(ブルーノ・セナ/ノルマン・ナト/グスタボ・メネゼス組)の後塵を拝し3番手に甘んじており、レースでは「トヨタvsノンハイブリッド勢」、そして「7号車vs8号車」という対決構図の行方に注目が集まった。

 現地時間9月19日14時30分にスタートした決勝では、序盤から順当に7号車がリードを広げる一方、8号車はいきなりタイヤのパンクチャーに見舞われ14周目に緊急ピットイン。7号車優位のままレースは進んだ。

 8号車トヨタはなんとか2番手まで巻き返すが、今度はブレーキの温度上昇というトラブルを抱え、ルーティンのピットストップでの対処を度々実行。そのたびにロスタイムが増えていったが、ついにセーフティカーのタイミングでマシン右フロントの冷却ダクトシステム交換を決断した。10分の作業時間を費やしながらも、SCのおかげもあり1ラップダウンで戦線に復帰する。

 万事順調に進んでいたと思われたトヨタ7号車が思わぬ事態に見舞われたのは、スタートから12時間が経過した直後の深夜2時半すぎ。エンジン右サイドのターボにトラブルが生じ、これを交換するためにガレージへと入れられたのだ。コクピットのなかで、可夢偉は絶望に襲われたような表情を見せた。

 この修復には30分近くを要し、7号車は7周おくれの4番手へと一気に後退。さらに朝になってデブリにヒットしたことでフロアにダメージを抱えてしまうが、修復には時間がかかりすぎることから、そのまま走行せざるを得なかった。

 7号車の脱落によりトップに立った8号車陣営においては、なんとしてもトヨタの3連覇を守るという使命が色濃くなった。

 7号車同様のトラブルなども心配されたが、その後はとくにトラブルなく走り切り、中嶋一貴の手によってトップチェッカーを受け、ル・マン3連勝を達成している。

 2番手争いは残り6時間でトラブルのため3番手に後退した1号車レベリオンR13が、3時間ほどかけて僚友の3号車に追いつき逆転を果たし、2位の座を得ている。3号車レベリオンは残り1時間のところでガレージに入れられ、表彰台圏外に転落。トヨタ7号車が3位に入った。

総合上位表彰台の様子
総合上位表彰台の様子

総合2位に入ったレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13
総合2位に入ったレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13

レース前半をリードするも、トラブルにより首位の座を失った7号車TS050ハイブリッド
レース前半をリードするも、トラブルにより首位の座を失った7号車TS050ハイブリッド

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