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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.09.23 06:45
更新日: 2020.09.22 15:57

“赤いアストン”TFスポーツ、初めて尽くしのLMGTEアマ制覇/ル・マン24時間

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ル・マン/WEC | “赤いアストン”TFスポーツ、初めて尽くしのLMGTEアマ制覇/ル・マン24時間

 第88回ル・マン24時間レースのLMGTEアマクラスを制したのは、イギリスをベースにするTFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージAMR(サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッド/ジョナサン・アダム組)だった。

 TFスポーツはブリティッシュ・ツーリングカー、ならびにブリティッシュGTチャンピオンシップドライバーだったトム・フェリエによって2014年に設立されたチーム。以来ブリティッシュGTやヨーロピアン・ル・マン・シリーズをアストンマーティンで戦ってきた。

 2017年にはル・マン24時間レースに初挑戦。さらに2018/19シーズンからはWECのLMGTEアマクラスに参戦を開始した。

 2シーズン目となった2019/20シーズンは、ついに世界の舞台で頭角を現し、第2戦富士で初優勝。その後も勢いに乗り、上海、CoTAでクラス優勝を遂げた。

 前戦スパではレースを通してペースが上がらず、厳しい状況に追い込まれていたチームは、レース後に90号車を“完全にバラバラにして”問題の解決にあたった。もちろん、最大のターゲットにぬかりなく備えるため、である。

 そのおかげもあってか、ル・マンでは走り出しから上位につけ、予選上位6台によって争われる“ハイパーポール”にも見事進出。クラス5番手から決勝レースをスタートさせた。

 イーストウッドはオープニングラップでクラス2番手にまで浮上するスタートダッシュを決める。その後、ブロンズドライバーのヨルックもミスなく走ってステアリングをつなぎ、アダムも好走を見せた。ピット作業にもミスがなく、90号車はクラス5番手を下回ることはなかった。

 レース前半からアストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMR(ポール・ダラ・ラナ/ロス・ガン/アウグスト・ファーフス組)とトップを争う展開となったが、やがて98号車がトラブルを抱えてガレージへ向かうと、ついにTFスポーツ90号車がクラストップに立った。

 その後も順調にレースを進め、2番手との差が5分程度にまで拡大する場面もあった。しかし終盤に向けてはギャップが詰まっていき、今回チームにとって最長となったロングスティントの終わりにイーストウッドがチェッカーを受けたとき、2番手のデンプシー・プロトン・レーシング77号車ポルシェ911RSRとは、49秒の差しかなかった。

 TFスポーツ史上初となるル・マンでの勝利は、さまざまな「初」であふれることとなった。

 ヨルックはル・マンで優勝した最初のトルコ人ドライバーとなった。アダムはGTEプロとGTEアマの両方で栄誉を得た最初のWECドライバーとなった。また、アストンマーティンのカスタマーチームがル・マンで優勝したのはこれが初であり、バンテージAMRにとってヨーロッパでの最初のLMGTEアマクラス優勝ともなった。

 GTEアマのチャンピオンシップで、TFスポーツはAFコルセの83号車フェラーリ488 GTEを8ポイントリードしている。タイトル争いは11月の最終戦バーレーンで決着することになった。

 ル・マン初制覇を受け、チーム首脳と3人のドライバーは以下のコメントを残している。

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