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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.10.12 11:16
更新日: 2020.10.12 11:24

ELMSモンツァ:波乱のレースで3連勝を飾ったアルバカーキ&ハンソンがタイトルを決める

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ル・マン/WEC | ELMSモンツァ:波乱のレースで3連勝を飾ったアルバカーキ&ハンソンがタイトルを決める

 10月11日、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズは第4戦『モンツァ4時間』の決勝レースがイタリアのモンツァで行なわれ、3連勝を飾ったユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカ07・ギブソンのフィリペ・アルバカーキ/フィル・ハンソンが、ドライバーズタイトル獲得を決めた。

 22号車はスタート直後から接触に見舞われるなどタフなレース展開となったが、最終的にハンソンは2番手にチームメイトである32号車オレカ07・ギブソンのアレックス・ブランドル(/ウィル・オーウェン/ヨブ・バン・アウタート)を従えてワン・ツー・フィニッシュを飾った。

 ドラゴンスピードUSAのベン・ヘンリー/ヘンリック・ヘドマン/チャールズ・ミレシ組27号車オレカ07・ギブソンは、ヘンリーがハイクラス・レーシング20号車のアンデルス・フィヨルドバッハの猛攻から逃げ切って3番手でフィニッシュを遂げた。しかしドラゴンスピードはレース後の車検でディフューザーの高さに違反が認められて失格となり、ハイクラス・レーシングが3位へと繰り上がっている。

 予選ではユナイテッド22号車のアルバカーキが0.093秒差でGドライブ・レーシング26号車アウルス01・ギブソンのニック・デ・フリースを退け、ポールポジションを獲得する。しかし決勝では序盤から波乱が起きた。ポールポジションからスタートしたハンソンが、直後の第一シケインでの接触によって右リヤにダメージを負ってしまい、さらにダートに飛び出したことで順位を下げることとなったのだ。

 後方では、2番手スタートだったGドライブのロマン・ルシノフがグラフ39号車のオレカ07と接触しスピン。これによってルシノフは縁石イン側のバンプ上に亀の子状態でスタックしてしまう。さらにLMP3車両がコース脇のグラベルにストップしたことから、さっそくセーフティカーが導入される波乱のスタートとなった。

接触により水漏れが発生したGドライブは、後にリタイアを喫している。
接触により水漏れが発生したGドライブは、後にリタイアを喫している。

 ここでリードを奪ったのはデュケイン・チームの30号車オレカ07を駆るジョナサン・ヒルスキだったが、このSCからのリスタートでもアクシデントが起きてしまう。リスタート直前のパラボリカへの進入で、ウェービングを終了したトップの30号車に、2番手につけていたパニス・レーシング31号車のニコラ・ジャミンが接触。ヒルスキは右リヤを、ジャミンは左フロントにダメージを負ってしまう。

 ジャミンは翌周のアスカリシケインでヒルスキをパスするも、マシンのダメージがひどくそのままピットへ。一方のヒルスキも接触の影響からかバランスを崩し、数周後のパラボリカでコースオフ、順位を失う。これによりトップに立ったのはハイクラス・レーシング20号車だった。

 スタートで右リヤを破損したユナイテッド22号車のハンソンは序盤に早めのピットストップを行ない、一時はトップ10圏外へと脱落。ユナイテッドの2台はここから上位勢とは異なるピット・シークエンスとなり、2時間目にオーウェンが1コーナーをオーバーランしたことによって順位を入れ替え、22号車が前に出た。

 レース中盤、デブリのために導入されたFCYによってLMP2勢のピットストラテジーはほぼ同じようなものとなった。ここではクール・レーシング37号車とドラゴンスピードUSAがステイアウト。アルバカーキはこのピットでハイクラス・レーシング20号車から20秒おくれの実質2番手へと浮上した。

 アルバカーキは20号車のブロンズ・ドライバーであるデニス・アンデルセンとの差をみるみる詰めていき、レース中盤すぎにこれを逆転。最後の1時間に入る頃にはユナイテッドの2台がレースを支配し、20号車のフィヨルドバッハは27号車のヘンリーをパスして3番手に立っていた。

 ユナイテッドの2台がピットインしたことで、ヘンリーとフィヨルドバッハは見かけ上の1位と2位に浮上したが、彼らももう一度ピットストップが必要な状況だったため、順位は変わらず。ハンソンがブランドルを3秒差で従え、ワン・ツー・フィニッシュを飾った。

3連勝によりタイトルを決めたアルバカーキとハンソン
3連勝によりタイトルを決めたアルバカーキとハンソン

 シリーズは11月の最終戦ポルティマオを残してはいるものの、22号車のふたりが32号車に37ポイント差をつけたことにより、ハンソンとアルバカーキのタイトルが決定。先日のル・マン24時間レースでWEC世界耐久選手権LMP2クラスのタイトルを決めているふたりは、同じ年にELMSとWECを制した初めてのドライバーとなった。

 LMP3クラスでは、インター・ユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P320・ニッサン(マーティン・ヒッピ/ディーノ・ルナルディ)が今季初優勝。LMGTEクラスではケッセル・レーシングの74号車フェラーリ488 GTE Evo(ミカエル・ブロニツェスキ/デイビッド・ペレル/ニコラ・キャディ)がレースを制している。

 全5戦で争われる2020年シーズンのELMSは、最終戦を残すのみ。11月1日にポルトガル・ポルティマオで、4時間レースが開催される。

LMP3クラスで優勝を飾ったインター・ユーロポル・コンペティションの13号車リジェ
LMP3クラスで優勝を飾ったインター・ユーロポル・コンペティションの13号車リジェ

LMGTEクラスで優勝を飾ったケッセル・レーシングの74号車フェラーリ488
LMGTEクラスで優勝を飾ったケッセル・レーシングの74号車フェラーリ488


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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