北米スポーツカーシリーズの最高峰、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2020年シーズン最終戦セブリング12時間レースが11月14日、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われ、マツダモータースポーツの55号車マツダRT24-P(ハリー・ティクネル/ジョナサン・ボマリート/ライアン・ハンター-レイ組)が総合優勝を飾った。
例年であれば1月の開幕戦デイトナ24時間に続く第2戦として3月に開催されているセブリング12時間だが、今季は新型コロナウイルスの影響でスケジュールが大きく変更されたことでシーズン最終戦として実施されることとなった。
前戦ですでに一部のタイトルが決定したものの、多くのタイトルの行方が分からない状態で迎えたシーズン第11戦。その予選ではDPiクラスチャンピオン候補最右翼のアキュラ・チーム・ペンスキー、7号車アキュラARX-05(リッキー・テイラー/エリオ・カストロネベス/アレクサンダー・ロッシ)がポールポジションを獲得した。
迎えた決勝ではその7号車アキュラが好スタートを決めた一方、2番手グリッドを得ていたライバルのウェイン・テイラー・レーシングの10号車キャデラックDPi-V.Rはスタート手順違反によるペナルティを受け、レース開始早々に下位に沈んでしまう。
首位を走る7号車にとってはタイトルを争う最大のライバルが後退したことで楽な展開となったが、『好事魔多し』とはよく言ったもので、テイラー駆るアキュラはスタートから1時間後にトラブルを抱え、ガレージにクルマを戻す事態に。
その後、デブリの回収やレクサスRC F GT3の2台同時クラッシュなどで複数回にわたってフルコース・コーションが出されるレース展開のなか、6号車アキュラARX-05とウィレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rによるトップ争いが終盤まで繰り広げられていく。
そんな首位争いに動きがあったのはスタートから9時間30分過ぎ。テール・トゥ・ノーズの接戦に持ち込んだ31号車キャデラックがコーナーで6号車アキュラのインを刺そうとしたところ2台が接触。6号車はスピン、そのまま走り去った31号車にはドライブスルーペナルティが出された。
このアクシデントの間隙を縫って総合3、4番手につけていた2台のマツダRT24-Pがレースの主導権を握る。チェッカーまで残り1時間の時点で首位は77号車マツダ、2番手に55号車マツダが付け、このままいけばマツダ勢のワン・ツー・フィニッシュが実現する展開に。
しかし、レース残り時間30分を切った直後に77号車に不運が襲いかかる。オリバー・ジャービスがドライブするマシンは左リヤタイヤのパンクに見舞われコースオフを喫し、その後の緊急ピットインで順位を落とすことになってしまう。