スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)が、ル・マン24時間レースの優勝チームであるヨースト・レーシングとザウバーに対し、WEC世界耐久選手権のLMHル・マン・ハイパーカープログラムに参加するよう協力を求めていることが明らかになった。
SCGの創設者であるジェームズ・グリッケンハウスは、ル・マンで通算15回もの勝利を収めたヨーストが、2台体制で取り組む2021年のキャンペーンのなかでリソースと人員を提供する予定であるとし、ザウバーがSCG 007レースカーのエアロダイナミクス開発を担当する、とSportscar365に語った。
2021年に始まるWECの新しい最高峰カテゴリーにノンハイブリッド車で挑むSCGは、イタリアのポディウム・アドバンスド・テクノロジーズにマシン開発を依頼してきたが、プロジェクトはさらにふたつの老舗レーシングチームとのパートナーシップによって強化されることになる。
ポルシェで4回のル・マン優勝を飾ったヨーストは、2016年に終了したアウディLMP1プログラムのエンジニアリングを担当し、計11回の総合優勝を飾った。近年は北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権を戦うマツダモータースポーツと提携し、2020年3月までマツダのDPiマシンを走らせてきた。
「そのようなチームと関わることは、我々にとって理にかなっていた」と語るのは、SCGを率いるグリッケンハウス。
「小さな会社であれば、一流の人々と関わりを持つことが重要だと私は信じている」
「もし誰かがすでに持っているなら、7台のトラックとあらゆる種類のピット機材を買うのは完全にクレイジーだ。また、自分で風洞を作ってエアロダイナミクスの研究を行うこともね」
「さらに、率直に言って彼らはル・マンを歩き回った経験があるが、私はそうではない。ニュルブルクリンクで物事を管理するのはとても快適だ。ル・マンでもそうなるようにするつもりだが、すべてを自分で行う必要はない。彼らにはとても助けられているよ」
ヨースト・レーシングによるサポートの正確な規模は不明だが、グリッケンハウスはこのプログラムは「ヨーストの参入ではない」と述べ、ドイツの会社がSCGのラベルが貼られたオペレーションの中で仕事をする契約であることを強調した。
「ルカ(・チャンケッティ/WECチームプリンシパル)と私がレースを運営することになった。確かに我々のエンジニアも何人か参加することになるが、彼らは良い関係だ」とグリッケンハウス。
「ヨーストには素晴らしい歴史と能力を備えた素晴らしいチームがある。彼らは今年、DPiを走らせていないのでキャパシティが余っており、それが我々にとっても都合が良かったんだ」