WEC世界耐久選手権の2021年シーズンから始まる、LMHル・マン・ハイパーカーカテゴリーに新規参戦を予定しているスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)は、3月の開幕戦セブリングに出場せず、代わりに5月初旬にスパ・フランコルシャンで開催されるWEC第2戦で、開発中のル・マン・ハイパーカー『SCG 007』をデビューさせることを目指している。
アメリカのスポーツカーメーカー、SCGの創業者であるジェームズ・グリッケンハウスによれば、ヨーストやザウバーとも提携するチームはホモロゲーションと、5月のスパ6時間レースで2台のクルマをエントリーさせる準備を万全にすることに注力しているという。
グリッケンハウスは、マシンのホモロゲーションに必要な時間を掛けることと、新型コロナウイルスのパンデミックがどのように進展し、WECのセブリング1000マイル開催に影響を与えるか否かの不確実性と相まって、開幕戦への出場を見送るというチームの決断に影響を与えたと説明した。
3月19日に予定されているWEC“シーズン9”の開幕戦には、LMHクラスのライバルであるTOYOTA GAZOO Racingと、オレカ製LMP1マシンで参戦するアルピーヌが出場を予定している。同ラウンドは2021年シーズンに限ってル・マン・ハイパーカーと、旧規定であるLMP1カーの両者に開放されているWECの新しい最高峰クラスの最初のレースだ。
「セブリングを欠場する理由のひとつは、WECがイベントを中止すると考えていることだが、これはあくまでも私個人の意見であり、実際に何が起こるかは分からない」とグリッケンハウスは述べた。
「しかし、第二に、レースをするためにはホモロゲーションを取得しなければならない。ホモロゲーションを行うには、マシンをロックしてザウバーの風洞に入れ、クルマがレギュレーションに適合していることを確認する必要がある」
「それを行う前に可能な限りのテストをして、マシンを正確に我々が望むレベルまで持っていくことが私たちの利益につながるんだ」
「私たちがセブリングにコミットするためには、基本的に今から6週間後にクルマをファクトリーから出荷することになるだろう。私はそれが実現するとは思えない」
「ACOフランス西部自動車クラブ(ル・マン24時間レースの主催者)は私たちがセブリングに行かないことを知っている。そして、彼らはこの決定に満足している。なぜなら、彼らは我々に良いクルマを持っていて欲しいと思っているからだ」