IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦のセブリング12時間レースを制したJDCミラー・モータースポーツ(マスタング・サンプリング・レーシング)のセバスチャン・ブルデーは、レース終盤にリヤウイングのトラブルに見舞われ、クラッシュ寸前であったことを明らかにした。
トリスタン・ボティエ、ロイック・デュバルとともに5号車キャデラックDPi-V.Rをドライブしたブルデーは、最後のフルコースイエロー解除後の20分でトップに立っていたが、突然のトラブルに見舞われた。ブルデーはこれに対してコクピット内からセッティングをアジャストし、なんとかトップをキープしてフィニッシュしたという。
「クルマの状態はとても良く、すべての物事はコントロールされていると思っていた」とブルデーは語っている。
「でも、残りあと約20分という最後のリスタートの直後、リヤウイングのトップ・エレメントが脱落してしまったんだ」
「クルマの中の自分が、とてもちっぽけに感じた。とても、とても大変だったよ」
「最初は、オイルか何かかなと思ったんだ。でも、背後からはライバルたちが迫ってきていたので、オイルじゃないな、と。
「そこからはどうにか状況を改善するために、前後のアンチロールバー、そしてブレーキバランスを調整し始め、なんとかライバルたちを寄せ付けないようにしたんだ」
「正直なところ、それらの調整でなんとかなるのかは分からなかった。だけど、この組織全体、チームメート、チーム、スポンサー、キャデラック、そして関係者全員をとても誇りに思うし、幸せだよ」
デュバル、ボティエとのフランス人トリオで優勝の栄誉を共有したブルデーは、劇的な最終2スティントを経て得た結果に「本当にラッキーだった」と語っている。
スコット・ディクソンがドライブするチップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックDPi-V.Rがピットインしようとしていた際に、BMW M8 GTEを接触。これによってトップの座を奪った5号車キャデラックは、最後の31周のうち28周をリードした。
「クルマから降りるまで、それがリヤウイングの問題だとは知らなかったけど、エアロダイナミクス的に何かが起こっていることは分かっていた」とブルデー。
「それが起こった時、クラッシュするんじゃないかと思った。けど、なんとかそれを防いだ。そのあとは『おい、これをどうやって運転したらいいんだ?』と思ったよ」
「逆に、ストレートではとても速くなったんだけどね」
「(周回おくれを)パスするのがとても難しかった。レースの神様が引き起こすことはときとして分からないものだけど、なんとか成し遂げ、受け入れて、先へと進むだけだ」
「それは、僕がこれまで参加したレースで最もありそうにないシナリオのひとつだったけど、勝利を収めることができた」