BMWが、2023年から正式採用されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次期最高峰規定『LMDh』の評価・検討を継続している最新のマニュファクチャラーのひとつとして、浮上した。まもなく任命されるモータースポーツ・ダイレクターによると、BMWはこの新たなグローバルプラットフォームを「注視している」という。
LMDh規則の車両は、WEC世界耐久選手権の最高峰ハイパーカークラスにも参戦することができ、WECおよびル・マン24時間レースで総合優勝を争うことも可能となる。
Sportscar365の取材では、LMDhの参戦リストに加わるための最終合意に近づいているマニュファクチャラーが最大3ブランドあると見られているが、そのひとつとしてBMWが浮上してきた。
BMWは近年、ツーリングカー、GT、および電動レースに重点をおいてきたが、2020/21シーズン限りでABB FIAフォーミュラE選手権から撤退、さらにはDTMについてもクラス1レギュレーションが終了したことで、2022年以降はグローバルなファクトリー・モータースポーツプログラムを失う状況となっている。
4月1日に新たにモータースポーツ・ダイレクターの職を引き継ぐことになる、現在のレースおよびテストエンジニアリング・オペレーションの責任者、マイク・クラックによれば、BMWにとってLMDhは「可能性のあるオプションのひとつ」であるという。
「(LMDhは)議論の一部になっている」とクラックはSportscar365に対し語った。
「我々はそれを注視しているし、研究もしており、興味を持っている。我々はそれをとても良いレギュレーションだと考えている」
「現在の予算で、総合優勝を達成することができる。これは非常に魅力的だ」
「我々はすでに、数年前にIMSAと『DPi2.0』について話し合っていた。その時から、私はこれがとても良いアプローチだと思っていた」
「他のメーカーと同じように、我々が(LMDhを)注視していることはみんな知っているだろう」
「すでに我々よりもさらなるコミットを表明したメーカーもあるが、『すべての細かな動きについて、いちいちアナウンスしない』こともまた、我々の哲学の一部なんだ。通常、我々はもう少し保守的だ」
「我々はそれを注視しており、そして経営陣に提案している。さて、何が起こるだろうか」
クラックは決定に関する詳細なタイムラインを示していないが、いくつかのオプションが検討されていることを示唆している。
これには、2023年の(規則の)ローンチに間に合うよう、マシンがデビューする可能性も含まれている。
「我々は、最初からそこに参戦することの意味と、後から加わることの長所・短所が何であるかを検討する」とクラックは述べている。
「プログラムの規模に関しては、非常に大きな可能性のマトリクスがある」
「これらのクルマでどういった参戦機会があり、どんなタイムフレームで参戦できるか、何台のクルマなのか、カスタマーなのかファクトリープログラムなのか……といったことを確認する必要がある」
「これは大きなマトリクスになる。取締役会にさまざまなオプションを提供すべきだろう」