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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.04.27 11:34
更新日: 2021.04.27 20:58

ハイパーカーより速いLMP2に「少し驚いた」とトヨタのブエミ。クラッシュのアストンはマシン交換へ/WECプロローグ初日Topics

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ル・マン/WEC | ハイパーカーより速いLMP2に「少し驚いた」とトヨタのブエミ。クラッシュのアストンはマシン交換へ/WECプロローグ初日Topics

 ベルギーのスパ・フランコルシャンで4月26日から行なわれているWEC世界耐久選手権の開幕前公式テスト“プロローグ”初日は、2セッションともにLMP2クラスのユナイテッド・オートスポーツUSA22号車オレカ07・ギブソンがトップタイムをマーク。LMP1に代わってル・マン・ハイパーカー(LMH)規則が導入された最高峰ハイパーカークラスにエントリーするトヨタGAZOO Racingは、格下クラスの思わぬ下克上を受ける形となった。

■トヨタ7号車はトラブルで数周のみの走行

 トヨタの7号車GR010ハイブリッドは午前中のセッション1では計測を行なわず、午後のセッションの終盤になって数周の計測を行なったのみだった。6周を周回したマイク・コンウェイのベストタイムは2分10秒101で、このセッション総合17番手。小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスは周回しなかった。

 2019-20チャンピオンである7号車のクルーが数時間のトラックタイムを失った理由として、トヨタは電気と油圧の問題を挙げている。

 また、午後のセッションでトップからコンマ5秒落ちの6番手となったトヨタ8号車GR010ハイブリッドをドライブするセバスチャン・ブエミは、LMP2カーが総合トップに立った月曜の2セッションについて「少し驚いた」と語っている。

「もう少しうまく1周をまとめることができたと思うが、僕らはあまり多くのタイヤを履かなかったんだ」とブエミ。

「僕たちはダブルスティントをしようとしていたが、この“ハイ・デグラデーション・トラック”では簡単なことではない」

トヨタGAZOO Racingのホセ・マリア・ロペスとセバスチャン・ブエミ
トヨタGAZOO Racingのホセ・マリア・ロペスとセバスチャン・ブエミ

■ハイパーカー失速の謎と「運転が難しい」LMP2勢

 トラック上でのLMP2クラスとの差について尋ねられると、ブエミは次のように述べた。

「僕はこれまで、LMP2カーにパスされたことはなかった。おそらく、彼らのうちひとりが、1ラップ、いい仕事をしたということだろう。僕らはもう少し速く走れると思うが、それでも足りてないのは明らかだ」

 LMHマシン(トヨタGR010ハイブリッド)およびLMP1マシン(アルピーヌA480)で構成されるハイパーカークラスと、LMP2クラスのマシンとの全体的なペース差は、プロローグおよび今週末に開幕する2021シーズンへのアプローチについて、いくつかの疑問を提起している。開幕前のプライベートテストでトラックを共有した際には、ハイパーカー(クラス)はLMP2よりも速いと見られていたからだ。

 最高速という面では、ハイパーカークラスはLMP2を上回っている。LMP2の最高速がユナイテッド・オートスポーツUSA22号車の301km/hであったのに対し、アルピーヌ・エルフ・マットミュートの36号車アルピーヌA480と、トヨタGAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッドの2台は、ともに308.7km/hをマークしている。

 今季のLMP2車両は、最高出力が400kW(536hp)に抑制され、最低重量も昨年より重い950kgに設定されている。これはトップカテゴリーのLMHマシンがLMP1ハイブリッド時代よりも遅くなることを受け、2クラス間のギャップを維持するための措置だ。昨シーズンのLMP2は、同じギブソンV8エンジンで約600hpを発揮していた。

 テスト初日のLMP2の最速ラップは2分4秒822だったが、昨年のスパにおけるドライでのプラスティス・セッションでは、このカテゴリーの最速タイムは2分03秒台だった。また、2020年の予選からの最速ラップは、今回のプロローグ初日のベストタイムよりも3秒速いものだった。

 また、スピード抑制のための新たなルールの一部として現在LMP2マシンに義務付けられているローダウンフォース仕様のエアロパッケージについて、パドックの何人かのドライバーとチームメンバーは運転が難しいと説明している。

 チームWRTの31号車オレカ07をドライブしたロビン・フラインスは、ローダウンフォース仕様での初めてのラップで「すべてのコーナーのエイペックスを逃した」と認めている。フラインスは数週間前、バルセロナでの2日間のプライベートテストにおいて、ハイダウンフォース仕様でマシンをドライブしていた。

 フラインスはその後、すぐにリズムを取り戻し午後のセッションでは3番手となるタイムをマークしている。セッション終盤に31号車はコース上でストップし赤旗の原因となったが、これはガス欠が原因であった。

 なお、LMP2のJOTAは28号車オレカを駆るショーン・ゲラエルがラディオンの頂上で大クラッシュをした後、新たなシャシーを持ち込んでいる。共同オーナーであるサム・ハインネットは、ゲラエルが無傷であると報告している。

チームWRTの31号車オレカ07・ギブソン
チームWRTの31号車オレカ07・ギブソン

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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