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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.06.14 13:15
更新日: 2021.06.14 13:16

戦略分かれたトヨタの2台「大変なレースで勝てて本当に最高の気分」と中嶋一貴/WECポルティマオ

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ル・マン/WEC | 戦略分かれたトヨタの2台「大変なレースで勝てて本当に最高の気分」と中嶋一貴/WECポルティマオ

 6月13日にポルトガル南部のポルティマオ近郊に位置するアルガルべ国際サーキットで行なわれたWEC世界耐久選手権の2021年第2戦ポルティマオ8時間レースでは、2&3番手グリッドからスタートを切ったトヨタGAZOO Racing(TGR)のGR010ハイブリッドは、大きなトラブルなく着実に8時間を走り抜き、トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権参戦100戦目をワン・ツー・フィニッシュで飾った。

 今季より新たな時代を迎えたスーパーカーカテゴリーの争いは、WEC初開催となったポルトガルへ。TGRの2台は、ポールシッターとなったアルピーヌ・エルフ・マットミュートの36号車アルピーヌA480・ギブソンを交えた三つ巴の激戦を展開した。

 2番グリッドスタートの8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)はブエミ、3番グリッドスタートの7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)はロペスが最初にステアリングを握り、序盤からPPスタートのアルピーヌ36号車を追った。

 燃料タンクの小さいアルピーヌは給油間隔がトヨタよりも短く、回数が多くなるが、ピット時の給油時間は短い。2台のGR010ハイブリッドは2時間経過直前にコンウェイとハートレーにドライバーチェンジ。トラフィックに苦しむハートレーをコンウェイがかわし、トップに立つ。

 レースのハーフウェイとなる4時間が過ぎた時点でGR010ハイブリッドの2台はアルピーヌ36号車をかわし、7号車可夢偉と8号車一貴が約10秒差での首位争いを展開する。

 その後導入されたセーフティカーにより、トップ3台の差は再び縮まることに。残り2時間半でレースが再開されると、ロペスへと交代した7号車が首位をキープ。ブエミへと交代し、燃料をセーブする作戦を採る8号車が2番手に続いた。

 レースは残り30分のところでフルコースイエローが出され全車がスローダウン。ここで7号車は燃料スプラッシュを行なうと、最後までピットなしで走り切る作戦の8号車の3秒後方でコースに復帰。一度はロペスが前に出るもブエミがこれを抜き返し、8号車が今季2勝目を挙げた。

 ワン・ツー・フィニッシュを受け、TGRの村田久武WECチーム代表は次のようにリリースでコメントしている。

「トヨタにとって記念すべき世界耐久選手権100戦目において、ワン・ツー・フィニッシュという最高の形で勝利を飾ることができました。ドライバー、エンジニア、メカニックの素晴らしい仕事に感謝しています」

「我々はこの勝利のために激しい戦いを繰り広げました。それは3台のハイパーカーがコンマ数秒を争うエキサイティングなレースでした。誰にも失敗が許される状況ではありませんでしたが、ミスなく、ワンチームとなって努力できたことをうれしく思います」

「素晴らしい予選に続いて決勝でも勝利に向かって果敢に挑戦を続けたアルピーヌチームは素晴らしかったと思います。また、初めてとなったグリッケンハウスチームとの戦いも楽しむことができました。今後も彼らとの戦いを楽しみにしています。ハイパーカークラスがいよいよ本格的に動き出し、ファンの皆様には今後のレースでもたくさんの手に汗握るような接戦を楽しんでいただくことができると思っています」

トヨタGR010ハイブリッドとグリッケンハウス007 LMH
トヨタGR010ハイブリッドとグリッケンハウス007 LMH

「これまでポルティマオでは多くのテストを行なってきましたが、ポルトガルでのWECは今回が初開催となりました。現在のような状況の中で、各参戦チームを快く迎え、安心安全なイベントを準備、開催してくれたすべての関係者に感謝いたします」

「次戦のモンツァは1992年、我々が世界耐久選手権で初優勝した思い出の舞台であり、また良いレースをして、その時と同じ結果を迎えられるよう準備を進めていきますので、ぜひご期待ください」

 次戦WEC第3戦モンツァ6時間レースは7月16~18日、イタリア・ミラノ近郊のモンツァで開催される。

* * * * * * *

 第2戦決勝を終えたTGRの6人のドライバーのコメントは、以下のとおりだ。

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