7月21日、ACOフランス西部自動車クラブは8月21〜22日に決勝レースが予定されている第89回ル・マン24時間レースの最新版エントリーリストを発表。このリストで、62台のマシンをドライブする186名のドライバーが出揃った。また、リザーブリストにも引き続き4台のマシンが名を連ねている。
2021年のル・マン24時間レースは、当初は例年どおり北半球の夏至に近い日程である6月の開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を受け、衛生対策を徹底して観客動員の可能性を見出すため8月へと開催時期が移されていた。
その後、WEC世界耐久選手権の第4戦としてフランス・サルト県のル・マン24時間サーキット(サルト・サーキット)で開催されるこのレースには、観客の入場が許されることがアナウンスされている。
公表された7月20日付けの最新エントリーリストでは、参戦する62台のチームに以前のリストからの変化はないものの、参戦クラスの移動、マシン変更、TBAとなっていたドライバーの新規登録や変更などが見られる。
5台がエントリーする最高峰ハイパーカークラスでは、グリッケンハウス・レーシングの709号車グリッケンハウス007 LMHにライアン・ブリスコーが復活する。
グリッケンハウスのデビュー戦となったWEC第2戦ポルティマオではこの3人が709号車をドライブしたが、同チームが2台体制を採った第3戦モンツァでは、ブリスコーはラインアップから外れていた。
モンツァで709号車をドライブしたフランク・マイルーは708号車陣営に移り、グスタボ・メネゼスがル・マンのラインアップからは外れている。グリッケンハウスは7名のドライバーをローテーションして出場させているが、第3戦モンツァではエントリーしていないブリスコーも現場サポートにあたっていた。
■日本人ドライバーは6名が参戦
当初発表されたリストではLMGTEアマクラスにエントリーしていたハブオート・レーシングは既報のとおりLMGTEプロクラスへと参戦カテゴリーを変更している。
LMP2クラスではWECにフル参戦しているARCブラスティラバが、今戦よりマシンをリジェJS P217からオレカ07へと変更する。これにより、レーシング・チーム・インディア・ユーラシアが唯一のリジェユーザーとなった。
なお、レーシング・チーム・インディア・ユーラシアでは、当初登録されていたナレイン・カーティケヤンとアルジュン・マイニの名前がリストから消え、インド籍ドライバーを含まないラインアップへと改められている。
LMGTEアマクラスのハーバース・モータースポーツは、フェラーリ488 GTE Evoからポルシェ911 RSR-19へ参戦車両を変更している。
参戦上限である62台からエントリーの取り下げは行なわれていないものの、4台のリザーブ車両も以前からのラインアップのままリストに残されている。
リザーブの最上位となるLMGTEアマクラスのAFコルセ62号車フェラーリでは、以前のリストに第3ドライバーとして記載されていたセルゲイ・シロトキンに代わり、トニ・バイランダーの名前が新たに記されている。バイランダーは同チームおいて、第3戦モンツァ6時間に出走している。
リストに含まれる日本人ドライバーも、当初発表のものから変更がない。ハイパーカークラスではトヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッドで、悲願のル・マン初優勝を狙う小林可夢偉が参戦する。同じく8号車からは、現在ル・マン3連覇中の中嶋一貴がエントリー。
今季よりWECにフルエントリーしているLMGTEアマクラスのDステーション・レーシング777号車アストンマーティン・バンテージAMRからは、星野敏と藤井誠暢が参戦する。また、第2戦ポルティマオに参戦した木村武史も、ケッセル・レーシング57号車フェラーリ4884 GTE Evoで出走する。
特別枠となる『イノベーティブ・カー』クラスからは、フレデリック・ソーセ率いるアソシエーションSRT41の84号車オレカ07・ギブソンで、青木拓磨がエントリー。青木はル・マン参戦を前に、今季はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの2レースに、同マシンで参戦してきた。
昨年に続き変則スケジュールとなる2021年のル・マン24時間レースは8月15日(日)、9時間に及ぶテストデーのセッションで幕を開ける。その後18日(水)にフリープラクティス(FP)1、予選、FP2が行なわれ、19日(木)にFP3、予選ハイパーポール、FP4のセッションが予定されている。
21日(土)は午前中に15分間のウォームアップセッションが行なわれたあと、16時(日本時間23時)に決勝レースがスタートするスケジュールとなっている。