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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.08.05 14:27

アウディ、LMDh参戦体制の確定を進める。多数の「ハイエンド」GT3チームとも交渉中

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ル・マン/WEC | アウディ、LMDh参戦体制の確定を進める。多数の「ハイエンド」GT3チームとも交渉中

 アウディでカスタマー・レーシングを統括するクリス・ラインケによれば、アウディスポーツは現在、LMDhにおけるファクトリー(ワークス)プログラム、およびカスタマー・レーシングの参戦体制をまとめ上げる過程にある、という。

 ル・マン24時間を13回制したアウディは、新たに導入されるLMDh規定のマシンを開発し、2023年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権においてデュアル・プログラムの開始を予定している。

 ファクトリーチームは両方のシリーズに参戦することが予期されているが、その最終的な参戦体制に関する決定は、カスタマーチームがどのように関わりを持つかについてにも影響を与えるとラインケは述べている。

 アウディはこれまでのグローバルなGT3プログラムで、キーとなるイベントにおいてトップ・パフォーマンスを見せるカスタマーチームに追加のリソースを供給するという、いわゆる『戦略的』なファクトリー・サポート・エントリーという形に依存してきた。

 同様の戦略を、LMDhプログラムにおいても展開できるかどうかは、不明だ。

「(まだ)決定されたファクトリーチームはない」とラインケはSportscar365に対し語っている。

「我々はより戦略的なエントリーによって、それを操るか? 純粋なファクトリーチームによって操るか? このプログラムにおけるファクトリー側(の体制)が、それを決定すべきだ」

「ひとたびそれが確定すれば、そこから論理的にスピンオフされるカスタマープログラムについて、我々は検討を進めることができる」

アウディでカスタマー・レーシングの責任者を務めるクリス・ラインケ
アウディでカスタマー・レーシングの責任者を務めるクリス・ラインケ

■アラン・マクニッシュがワークス活動を統括か

 以前はアウディのファクトリーLMP1プログラムを率いる立場にあったラインケは、両方のタイプのオペレーションについて、それぞれに長所と短所があると表明する。

「(カスタマー・レーシングは)我々がパートナーとしてのビジネスを重視するGT3の世界では、さまざまなところで活用している非常に優れた仕事のモデルである」とラインケは説明している。

「反対に、DTMあるいは元LMPチームにおいては、ファクトリー・プログラムを効率的に実行する方法について、これまでの良い実績がある」

「いま、我々はこれらふたつのタイプのプログラムを実行しようとしている。したがって、内部的にも、異なる哲学間の妥協点を見つける必要がある。いま、我々はともに共通のものを作り上げなければならない」

 なお、ル・マンとWECを制した経験を持つアラン・マクニッシュが、アウディLMDhではファクトリー・プログラムの側を率いる責任者になるものと、Sportscar365は理解している。

 また、複数の情報筋は、LMDhのデビューイヤーとなる2023年においては、ポルシェとアウディの双方がエントリーするカスタマー車両がそれぞれ『最大4台』に制限されることを示唆しているが、ラインケはそれらに関する決定はまだなされていない、と述べている。

 ラインケによれば、カスタマー車両の台数は現在のところ「オープン」なままであるという。

「特定の(台数の)制限や最終目標などはについては、まだ話し合っていない」とカスタマーLMDhプログラムを担当するラインケは語っている。

「車両が必要になれば、その参戦を行なうカテゴリー、そして特定のマーケティング戦略と論理的な位置付けが必須になる」

「それに加え、カスタマーからは、我々がどんな形でプログラムをもたらすことができるかについての充分な関心が寄せられるだろうし、それは関係者全員にとって意味のあることだ」

 まだ名前の付けられていないアウディの新型LMDh車両への関心は、「我々が想定していた場所」にあるとし、そこでは多くの「ハイエンドな」アウディのGT3カスタマーが対話に参加している、とラインケは述べている。

 また、いくつかの熟練したLMP2チームもこの議論に加わっているものと理解されている。

長年GT3レースに参戦し、今季はWECのLMP2にもエントリーするチームWRTは、有力チームのひとつと目されている
長年GT3レースに参戦し、今季はWECのLMP2にもエントリーするチームWRTは、有力チームのひとつと目されている

 アウディが2023年1月のIMSAデイトナ24時間に間に合うようにカスタマー車両をデリバリーできるかと尋ねられたラインケは、次のように述べた。

「それが私の目標だ。野心的ではあるものの、それは依然可能だ」

 また、最近のアウディのモータースポーツ活動の再編によって、ファクトリードライバーの契約形態にも今後は変化が見られそうだ。

 以前はLMP、DTM、フォーミュラEのドライバーたちは、アウディAGと契約していた。一方、ファクトリーGT3ドライバーたちは、アウディスポーツGmbHの所属となっていた。今後は、これがひとつのグループにまとまることになる。

 ラインケによれば、過去にもふたつのグループ間でドライバーを交換していたため、理論的には何の変化もないという。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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