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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.08.16 16:48
更新日: 2021.08.16 16:49

初ル・マンを迎えたGR010ハイブリッドは「水を得た魚のよう」トヨタ、テストデーを2&3番手で終える

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ル・マン/WEC | 初ル・マンを迎えたGR010ハイブリッドは「水を得た魚のよう」トヨタ、テストデーを2&3番手で終える

 8月15日(日)、フランス・ル・マンのサルト・サーキットで、WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースに向けた公式テストデーが実施され、4連覇を目指すTOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)の新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)、GR010ハイブリッドが、サルト・サーキットでの記念すべき第一歩を記した。

 昨年開催されなかったテストデーは、レースウイークの前に公道区間を閉鎖して全長13.626kmのサルト・サーキットを実際に走行できる唯一の機会。この日は、2回・合計9時間にわたる練習走行セッションが設けられた。

 今季のWECで、ここまで3戦全勝を飾っているTGRの2台のGR010ハイブリッドは、この日の走行を2番手、3番手タイムで終えた。

 ディフェンディングシリーズチャンピオンのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスがドライブした7号車GR010ハイブリッドが708号車グリッケンハウス007 LMHとわずか0.225秒差の2番手、昨年のル・マン・ウイナーである中嶋一貴とブレンドン・ハートレーが駆る8号車はそこから0.282秒おくれの3番手となった。

 8号車のドライバーであるセバスチャン・ブエミは、同日、ドイツのベルリンで行なわれたABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン最終戦『ベルリンE-Prix』に出場していたため、このテストデーは欠席し、夕方、ベルリンからル・マンに到着した。

 ブエミを除いた5名のドライバーにより、レースウイークへ向けた唯一のテストデーは、晴天の下、現地時間午前9時に開始された。GR010ハイブリッドは、これまでのLMP1車両とは根本的に異なる車両パフォーマンス特性を持つまったく新しい車両ということもあり、チームはいつも以上に準備のための幅広いテストプログラムに注力した。

 午前9時から4時間にわたったセッション1は、2度の赤旗中断により若干走行時間が失われたが、TGRの5人のドライバーは着実に周回を重ね、空力及びメカニカルのセットアップ、エネルギー配分やタイヤに関するデータを収集。特にタイヤでは、3種類のドライ用コンパウンドをサルト・サーキットで初めて評価した。

 サルト・サーキットは1周の大部分が公道セクションということもあり、予想どおりテスト開始当初は路面が非常に汚れていたが、62台のレース出場車両が周回を重ねるうちに路面がクリーンになっていき、ラバーが乗って徐々に状況は改善していった。

 8号車を駆るハートレーが、開始から2時間半ほどを過ぎたところで、3分31秒263というこのセッション最速タイムをマーク。このセッションでは、アルピーヌが2番手、コンウェイがベストラップをマークした7号車が3番手につけた。

午前中のセッションでトップ、午後を終え総合3番手となった8号車GR010ハイブリッド。テストデーでは中嶋一貴とブレンドン・ハートレー、ふたりの手でドライブされた。
午前中のセッションでトップ、午後を終え総合3番手となった8号車GR010ハイブリッド。テストデーでは中嶋一貴とブレンドン・ハートレー、ふたりの手でドライブされた。

 14時からの5時間のセッション2では、レースコントロールの確認のために、25分間にわたるセーフティカー導入のテストも実施された。加えてフルコースイエローのテストも行なわれたが、それ以外はトラブル無くセッションは進み、チームはスムーズにテストプログラムをこなした。7号車は再びコンウェイが最速タイム、8号車はハートレーのタイムが最速となった。

 レースウイークの走行までの2日間のインターバルで、チームは収集したデータを解析し、セッティングの最適化を進めるとともに、車両のチェックと再整備を行ない、18日(水)午後から始まる公式練習第1回目のセッションに臨む。

 TGRからテストデーに出場した5人のドライバーのコメントは、以下のとおり。

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