ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.08.23 12:40
更新日: 2021.08.23 17:55

最終ラップでの逆転、劇的勝利のWRTフラインス「僕らのレースは終わったと思った」/ル・マン24時間


ル・マン/WEC | 最終ラップでの逆転、劇的勝利のWRTフラインス「僕らのレースは終わったと思った」/ル・マン24時間

 8月21~22日にかけてフランス、ル・マンのサルト・サーキットで行われたWEC世界耐久選手権第4戦/第89回ル・マン24時間レースのLMP2クラスウイナーとなった、チームWRTのロビン・フラインスは、31号車オレカ07・ギブソンのエアジャッキの故障とGTEマシンとの接触によって「自分たちのレースは終わったと思った」と語った。

 フラインス、フェルディナンド・ハプスブルグ、シャルル・ミレッシの3人は、LMP2クラスのトップを走っていた彼らのオレカ07がレース終盤に何度もドラマに遭遇したにもかかわらず、ロバート・クビサ、ルイ・デレトラズ、イフェイ・イェによって運転された姉妹車41号車オレカ07がファイナルラップでストップするという悲劇的な展開によって、最終的には優勝を勝ち取った。

 イェがドライブする41号車が最終ラップで止まった時、2番手を走っていたフラインスは僚友を逆転するとともに、後方2秒差に迫っていたトム・ブロンクビスト駆るJOTAの28号車オレカ07とのスリリングな優勝争いを繰り広げることとなった。2台の争いはチェッカーフラッグを受けるその瞬間まで続き、最後は0.7秒差での決着となった。

■エアジャッキの故障で通常のタイヤ交換が不可能に

 チームWRTの31号車オレカは、チームメイトよりも優位に立った状態で日曜の午後を迎えたが、不幸なことにタイヤ交換時に使用する車載エアジャッキが故障してしまう。

 このためベルギーのチームは、タイヤ交換を行うために空気式の“エマージェンシー・リフト”という装置を使うことにしたが、時間のロスを最小限に抑えるために通常、前後4本を換えるところを各ストップでフロントとリヤの2本のみ交換していく戦略を採った。

 この緊急措置が始まったとき、フラインスはフロントに新品のグッドイヤータイヤを装着したものの、リヤは4スティント目に入る古いタイヤを使用してたためバランスが崩れたという。

「エアジャッキが壊れたせいで僕たちはすでにピットで1分を失っていた。だから、リヤタイヤを交換することができなかった」とフラインスはSportscar365に語った。

「新品のタイヤをフロントに入れたことで(グリップは)完全にノーズ側に寄っていた。その状態で7~8周走ったあと、リヤタイヤを交換するためにピットに戻ったんた」

「その後さらに状況が悪化し、エアジャッキなしでリヤタイヤを交換することになったため、さらに20~25秒を失うことになった」

レース後半に車載ジャッキが故障した31号車オレカ07・ギブソン
レース後半に車載ジャッキが故障した31号車オレカ07・ギブソン

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