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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.09.28 14:03

BMWとキャデラックにLMDhシャシー供給のダラーラ、完全分離の“厳戒態勢”で開発進める。さらなる受注も視野に

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ル・マン/WEC | BMWとキャデラックにLMDhシャシー供給のダラーラ、完全分離の“厳戒態勢”で開発進める。さらなる受注も視野に

 2023年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、ならびにWEC世界耐久選手権に正式導入されるLMDh規則において、BMWおよびキャデラックにベースシャシーを供給するダラーラ。同社の上級管理職であるマックス・アンジェレッリによれば、ダラーラはそれぞれのプロジェクトに専任の開発チームを編成し、本社内では「パスワードで保護された別々の部屋」で作業にあたっているという。

 ダラーラは、DPiおよびLMDhの時代において、複数の競合するOEM(マニュファクチャラー)と協業する最初のコンストラクターであり、各ブランドの知的財産と開発過程を保護するため、極端な対策を講じている。

 現在は80人以上がダラーラのLMDhプロジェクト全体に関与しており、これらは共有グループと専用グループに分かれていて、すべてがチーフ・テクニカル・オフィサーであるアルド・コスタに報告される体制を採っていると、アンジェレッリは説明する。

「車両のスパイン(背骨・骨格)は、コンストラクターが責任を負う」とアンジェレッリはSportscar365に対し語っている。

「我々はスパインに対して責任があり、そこにスパインの定義がある」

「さまざまなエンジン、さまざまなボディワークに対して、そのスパインが有効であると確認する必要がある」

「我々には、このスパイン専用のワーキンググループがある。そして、BMWのためのグループ、キャデラックのためのグループがある」

「彼らは極めて分離された、異なる部屋で働いている」

「スパインに関わる人々は、すべてがキャデラックとBMWの双方でうまくいくことを確認する必要がある。スパインは共通だからだ」

「だが、BMWとキャデラックのグループの中には、空力やパワートレイン、システム、エレクトロニクス担当のスタッフがいる」

 それらの人々の、イタリア/ヴァラーノ・デ・メレガーリにあるダラーラのファクトリー内でのアクセスについては、特定のプロジェクトに応じ適切にコントロールされているという。これは、50%風洞についても同様だ。

「彼らは別々の部屋にいて、そこに入るにはパスワードが必要だ」とアンジェレッリは説明する。

「BMWのプロジェクトで働く人は、他のマニュファクチャラーのプロジェクトに近づいたり、話をしたりすることはない」

「たとえば風洞テストがある場合、その日そのテストに参加するスタッフにのみ、立ち入りが許される」

「その後、ドアは閉じられ、内部で人々が働く様子は外から見ることができない」

「すべてがロックされているため、誰が風洞内にいるのか、私でさえほとんどの場合は分からないんだ」

■次のページへ:2023年以降、3〜5社目のプロジェクト始動も目標に

キャデラックの現行DPiマシンであるDPi-V.Rは、ダラーラLMP2シャシーがベースとなっている
キャデラックの現行DPiマシンであるDPi-V.Rは、ダラーラLMP2シャシーがベースとなっている

この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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