11月13日、アメリカ・ジョージア州のロード・アトランタを舞台にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第12戦プチ・ル・マンの決勝レースが行われ、この10時間レースの中盤にGTカー7台が絡む多重クラッシュが発生。その中心にいた3号車シボレー・コルベットC8.R(コルベット・レーシング)のジョーダン・テイラーは「行き場がない」状態だったと事故当時を振り返った。
アントニオ・ガルシア、ニッキー・キャツバーグとともにプラット・アンド・ミラーが運営するシボレーワークスのマシンの1台をシェアして今季最終戦に臨んだ彼は、レースの4時間目に起きたクラッシュで、インセプション・レーシングの70号車マクラーレン720S GT3に追突した直後、最初は腰の骨を折ったのではないかと思ったという。
テイラーがドライブしていた3号車コルベットは、最終的に3台がチェッカーを受けたGTル・マン(GTLM)クラスで最初にリタイアした1台となった。そしてそれは、この事故に関係した7台のうち、再スタートの準備のためにターン10aへアプローチしていたGTDカーに激突するに至った。
テイラーは当時を振り返り、グリーンフラッグに戻る前にGTデイトナ(GTD)クラスの車両が束になって現れ、そこで“アコーディオン効果”に遭遇したと語った。
彼は少なくとも6台のGTDマシンが集団になっているところでインセプションのマクラーレンに突っ込み、今レース中に計10回導入されたコーションタイムのうち、もっとも長いセーフティカーランを生み出すことになった。
コルベットのドライバーは足を引きずりながら自らクルマを降り、その後メディカルセンターで腰の筋肉の痙攣を抑える治療を受けている。彼は「幸運なことに、それほど深刻ではない」と述べた。
「(セーフティカーランから)再スタートするとき、僕はおそらく総合30番手から35番手あたりにいたと思うのだけど、トップグループがターン10bから出てきてシケインから加速していくのが見えた」
「それから(GTDカーを交わしながら)15番手から20番手あたりに戻っても、彼らはまだシケイン(ターン10a~10b)でブレーキをかけていて、それがアコーディオン効果を引き起こしたんだ」
「僕たち(GTLMカー)はかなり後方に下がっていたので、バックストレートでは隊列に追いつくためにずっとフラット(アクセル全開)の状態で走っていた」
「(コースの起伏の)頂上に着くまで僕は79号車(ポルシェ911 RSR-19/ウェザーテック・レーシング)の後ろにいた。その時点でギアは5速に入っていて、基本的には彼についていくだけで、彼が僕たちの行く先(の状況)を知っているものと信じていた」