レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.03.06 15:48
更新日: 2022.03.06 17:46

「FIAの差別的条件は受け入れられない」とロシアのGドライブ率いるルシノフ。WEC/ELMS参戦中止か

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ル・マン/WEC | 「FIAの差別的条件は受け入れられない」とロシアのGドライブ率いるルシノフ。WEC/ELMS参戦中止か

 FIAがロシアとベラルーシのドライバーに対して“中立的な立場”でレースをしなければならないと発表して以来初めて、ロシア人としてGドライブ・レーシングを率いてWEC世界耐久選手権等のスポーツカーレースに参戦するロマン・ルシノフが声明を発表、FIAからの「差別的条件」を受け入れることを拒否する、と述べた。

 WECおよびELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにおいて、Gドライブ・レーシングの参戦プログラムを主導しているルシノフは、3月5日土曜日にインスタグラムに声明を投稿し、彼もチームも、今年はどちらのシリーズにも出場しないことを示唆している。

 FIAは今週、ロシアのウクライナ侵攻を受け、すべてのロシア人ドライバーが「FIAの平和と政治的中立の原則への、特別なコミットメントと遵守」の対象となることを発表した。

 これにはロシアの国旗、象徴、色の使用や、国際大会での国歌の演奏などが、さらなる通知があるまで禁止されることが含まれている。

 Gドライブはロシアのガソリンスタンドチェーンであり、戦争が続くなかでアメリカおよび他の国々からの制裁に直面している国営石油大手のガスプロムによって運営されている。

 ACOフランス西部自動車クラブは、FIAが新たに発表した条件の下で、Gドライブのスポンサーシップ、およびそのブランディングが禁止されるかどうかについて、明らかにしていない。

2021年ELMS第3戦ル・キャステレ(ポール・リカール)で優勝した26号車アウルス01・ギブソン
2021年ELMS第3戦ル・キャステレ(ポール・リカール)で優勝した26号車アウルス01・ギブソン

「今日、ロシアのGドライブ・レーシングチームのドライバーである私は、FIAの差別的な条件を受け入れることを拒否する」とルシノフは書いている。

「それぞれのアスリートの目標は、表彰台で自国の国歌を聴くことだ。10年以上の国際的なレース経験で、我々のチームはこれを何度も体験してきた。我々はロシアの国旗を掲げ、ロシア国歌を聴いて、歌った」

「ファンのために、そして私のチームメイトとスポーツの名誉のために、私はこの文書に署名しない。それなら、まったくドライブしない方がいい」

「(Gドライブ・レーシング)チームは、常に国際的だった。ドライバー、メカニック、エンジニア──彼らは、世界のさまざまな国からやって来ている」

「もし我々が彼らに、それぞれの国旗や経験、そして名前を(掲げることを)諦めるように頼んだら、(我々が手にしてきた)本物の兄弟愛や勝利は、決して得られなかっただろう。そのような人々が、Gドライブ・レーシングとして戦わないことは残念だ」

「現在我々は、我が国でモータースポーツを発展させるプロジェクトの、さまざまな選択肢を検討している」

「彼ら(FIA)にスポーツの精神と、すべての参加者にとって平等な状況が戻った後に、我々が国際的なレースに復帰できることを私は心から願っている」

 Gドライブは、アルガルベ・プロ・レーシングの運営のもと、『Gドライブ・レーシングby APR』としてWECおよびELMSでの同時並行するLMP2プログラムを実行する予定で、ユーロインターナショナルが運営するLMP3プログラムも行われることになっていた。双方のシリーズにおける運営チームは、現在のプログラムの状況に関してまだ公式声明を発表していない。

 現在のロシアをめぐる状況は、当初2月28日に予定されていたル・マン24時間レースのエントリーリスト発表を遅らせる原因になったと考えられている。Sportscar365は、3月7日月曜にさらなるニュースがもたらされるものと理解している。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

関連のニュース