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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.03.13 18:31

50歳でLMP2へ。チーム・ペンスキーに“復帰”のコラールが「体力的には楽になった」理由

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ル・マン/WEC | 50歳でLMP2へ。チーム・ペンスキーに“復帰”のコラールが「体力的には楽になった」理由

 チーム・ペンスキーから2022年のWEC世界耐久選手権に参戦するエマニュエル・コラール。50歳を迎えたことで、FIAのドライバー・レーティング上は“シルバー”にダウングレードしてカテゴライズされる彼は、今年の参戦が新たなキャリアの機会をもたらすことは確信できていない、という。

 コラールがシルバーとなることで、ペンスキーはデイン・キャメロン(ゴールド)/フェリペ・ナッセ(プラチナ)という3人の組み合わせにより、LMP2クラスへの参戦が可能となった。

 それにも関わらずコラールは、この新たなレーティングが後々のさらなるチャンスにつながるかどうかには疑問を抱いており、ジュニア・シングルシーターからのステップアップという“着実な流れ”の存在を指摘している。

 WECのLMP2クラスに参戦するいくつかのチームは、シングルシーターをバックグラウンドに持つ、若手のシルバー・レーティングドライバーを、ラインアップの一部とすることを選択している。

 たとえばプレマはFIA F3王者のロレンツォ・コロンボをチームに迎え入れユナイテッド・オートスポーツは16歳でWECデビューを迎えるジョシュ・ピアソンと契約を交わしている。

「チーム・ペンスキー(からのLMP2参戦)は、僕にとって本当に良い機会だった。でも、将来については分からない」とコラールは語っている。

「たとえば、F2のようなシングルシーター・シリーズからやってくる、若いシルバー・ドライバーはたくさんいる」

「僕はそろそろ51歳だ。経験を積んではいるが、以前ほどは速くない。いまのところ僕はこのプログラムに本当に満足しているし、これは素晴らしい機会ではあるけれど、未来についてはいまのところ分からない。何かを言うのは難しいよ」

 その年齢を潜在的な欠点と認識しているにも関わらず、コラールは耐久レースでの豊富な経験と、アメリカの大チーム・ペンスキーにおける過去の参戦経験により、若いドライバーと比較した際に起用の決め手となったことを認めている。

 コラールは過去、ペンスキーとともにアメリカン・ル・マン・シリーズに3年間参戦した。そのハイライトは2008年のセブリング12時間レースで、ロマン・デュマとティモ・ベルンハルトとともにポルシェRSスパイダーをドライブし、総合優勝を遂げている。

「アメリカにおいて、彼ら(ペンスキー)はドライバーの経験というものを、とても高く評価している」とコラール。

「僕は3年間も彼らとともにレースをしたので、彼らは僕のことをよく分かっている」

「彼らはまた、僕がここ数年もレース活動を止めていないことを知っている。僕は2年前のLMGTEアマ参戦でも、良いリザルトを残した(2019/20シーズンLMGTEアマクラスでタイトルを獲得)。総合的にみて、彼らにとってはこれがベターな選択だったと思う」

2020年のWECスパ戦、LMGTEアマでのクラス優勝を喜ぶコラール(右)。この2019/20シーズン、AFコルセでLMGTEアマのタイトルを獲得
2020年のWECスパ戦、LMGTEアマでのクラス優勝を喜ぶコラール(右)。この2019/20シーズン、AFコルセでLMGTEアマのタイトルを獲得

 ペンスキーのWECでのデビューシーズンは、基本的には2023年に予定されているポルシェとのLMDhファクトリー・プロジェクトに向けた準備が主目的となる。

 ポルシェのファクトリードライバーである、キャメロンとナッセとの協業については、「非常にうまくいっている」とコラールは語る。

「このふたりは本当にクールだよ。互いに、とてもいいフィーリングだ。ここ(セブリング)に来る以前は2日間のテストしか行っていないので、まだお互いを本当に詳しくは知らないけどね」

「現時点では、すべてが前向きだ。彼らは“トップガン”であり、僕よりも多く運転するだろう。正確な計画はまだないけど、彼らよりも僕は少ない運転時間とするべきだろう」

 コラールにとって、ギブソンエンジンのLMP2車両をドライブするのは初めてではない。2017年、コラールはTDSレーシングの一員として、WECにフル参戦した。

 しかし当時と比べると現在のLMP2車両は、ハイパーカー・カテゴリーとの階層化の一環として、多くの面で(規則により)パフォーマンスが低下している。

「2017年と比較して、マシンのダウンフォースが大幅に減少したから、少しイージーになったと言わざるを得ない」とコラールは付け加えた。

「彼ら(シリーズ)はエンジンパワーも削減したが、それは本当に体感できるものだ。だから、体力的にはドライブが楽になっている」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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