スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスとそのエンジンサプライヤーであるピポ・モチュールは、2022年シーズンから採用されるWEC世界耐久選手権の新しい100%再生可能燃料に対応するべく、ル・マン・ハイパーカーエンジンの修正に取り組んでいる。
グリッケンハウスのオーナーであるジム・グリッケンハウスは、彼の組織とピポ・モチュールが、トタルエナジーズが供給するバイオ燃料『エクセリウム・レーシング100』で「もう少し走りを改善するため」にグリッケンハウス007 LMHに搭載される3.5リットルV8ツインターボエンジンにいくつかの変更を加えていることを認めた。
新しい燃料は今季からWECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、ル・マン24時間レースの全クラスで採用される。
グリッケンハウスによると、WECはLMHメーカーが2021年から2025年までの間に行うことが許される5つの“エボ・ジョーカー”と呼ばれる技術的変化のひとつとして、彼らのエンジン改造がこれに含まれるかどうかを確認していないという。
仮に認められた場合、昨年WECにデビューしポルティマオ、モンツァ、ル・マンに参戦した同チームのノンハイブリッドLMHにとって最初のエボ・ジョーカーとなる。
なお今回の変更は、グリッケンハウスがボッシュと共同でブレーキ・バイ・ワイヤ・システムを搭載した後に行われている。このブレーキの仕様変更については007 LMHの性能バランスに関わる議論を経て、FIA国際自動車連盟やACOフランス西部自動車クラブとともに考え出されたものであるため、エボ・ジョーカーとはみなされていない。
「ジョーカーとみなされるかどうかのロジスティクスは分からないが、たしかに我々はエンジンに修正を加えた。それはおもにeガソリンのためだ」とグリッケンハウスはSportscar365に語った。
「我々はそこにもう少し改善できることを発見し、いくつかの修正を加えたいと思っている。ただし、私たちは(セブリングで)それを実行する時間はない」
「しかし、これは本当に(シリーズが)eガソリンを導入した結果であるため、彼らがエボとして捉えるかどうかは分からない」