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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.05.06 18:25
更新日: 2022.05.07 12:26

開幕戦の勝利後、BoP変更を予測していたアルピーヌ。WECスパは異なるアプローチで臨む

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ル・マン/WEC | 開幕戦の勝利後、BoP変更を予測していたアルピーヌ。WECスパは異なるアプローチで臨む

 アルピーヌは、スパで適用されるハイパーカーBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)で最大パワーが抑制されることを「予測」し、今週末のWEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャンの6時間レースに向けて彼らのLMP1マシンを最適化するために、パワーと燃料マネジメントに関して多くの作業を行ったという。

 アルピーヌ・エルフ・チームを運営するシグナテック社のチーム代表であるフィリップ・シノーは、開幕戦セブリングで優勝した後、第2戦スパを前にBoPが変更されることをある程度予測することができたと述べた。

 彼は、アルピーヌの焦点がセブリングのようにペースを追求するのではなく、スパの4.35マイル(7.004km)のコースでパワーと燃料をマネジメントし、燃料タンクが小さいために必要なピットストップ回数を減らすことに移されたことを認めている。

 スパ6時間用に調整されたBoPによって、アルピーヌのマシンは最大出力が20kW(約27PS)削減された。これはふたつの高速セクターと長いストレートを持つベルギーのサーキットにおいて、大きな痛手となる。

「エアロダイナミクスとメカニカルなセッティングに関しては、このクルマで提供できる最大限のものがある」とシノーは述べた。

「我々にとって最善の改善策は、出力とエネルギーをマネージメントすることだ。この点については、BoPを受け取ったときにすでに多くの取り組みを行ってきた。このようなBoPになることをある程度予想していたんだ」

「セブリングはまったく違う哲学だった。我々はF3のようにマシンをより効率的にし、バンピーなサーキットで本当にうまくレースを進めるために働いた。それが私たちのクルマが効率的だった理由だ」

 シノーはセブリングを“エキゾチック”なレースと評し、ニコラ・ラピエール、アンドレ・ネグラオ、マシュー・バキシビエールのアルピーヌチームは、車重の重いトヨタGR010ハイブリッドがバンピーなフロリダのサーキットで苦労していたため、それを生かさなければならなかったと語った。

「セブリングは過去のものだと言っているのは、そのためだ。スパは新しいカテゴリーで行う新しい大会のようなもので、(セブリング1000マイルとは)まったく異なる」

「我々は1年前にここでレースを始めたので、このトラックについては少し理解しているつもりだ。チームとクルマのレベルも上がっているので昨年よりも自信はあるが、どうなるかな」

 アルピーヌはスパでのパワーダウンに不満はなく、BoPによる調整について、シノーはWECのハイパーカー・カテゴリーにおける「ゲームの一部」と表現している。彼はBoPの変更について意見を求められると次のように答えた。

「我々はスパに到着する以前から、このような計画を立てていた」

「細かいところでは見解の相違があるが、マネジメントしていかなければならない。それがBoPの運営の一部なんだ」

TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド 2022年WEC第2戦スパ・フランコルシャン
TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド 2022年WEC第2戦スパ・フランコルシャン

■次のページへ:トヨタのテクニカル・ディレクターがBoP調整の難しさを説明


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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