5月6日金曜日、フリープラクティス2&3、そして予選のセッションが終了したWEC世界耐久選手権の2022年第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース。7日土曜日に行われる決勝(日本時間20時スタート)を前に、予選日のパドックから走行2日目の各種トピックスをお届けする。
■トヨタのハイブリッド使用コーナーは“3カ所のみ”
トヨタGAZOO Racingのテクニカル・ディレクター、パスカル・バセロンによると、トヨタはフロントアクスルからのパワー放出を“190km/h以上”とするBoP(性能調整)により、コース上の3つのコーナーでしか、ハイブリッドシステムを作動させることができない、という。
彼は、バッテリーの充電状態(SOC)を「管理するのが難しい」と説明している。
「回生するエネルギーレベルは同じなのに、ブーストする機会がほとんどない。SOCを管理するために、通常ではしないような場所でブーストしなければならない」
■ブレーキ交換ミスでコースオフ
グリッケンハウス・レーシングは、WECの総合ポールポジションを獲得した6番手のチームとなった。これまでポールを獲得してきたのは、アウディ、トヨタ、ポルシェ、レベリオン・レーシング、アルピーヌという5チームだ。
また、アメリカ籍のチームとしては史上初のWECでのポールポジションであり、オリビエ・プラにとっては2018年の上海戦でフォードGTをドライブしてクラス首位を獲得して以来の、予選最速となった。
予選のラップタイムは昨年よりも大幅に遅く、プラの2分02秒771という最速タイムは、2021年にトヨタGR010ハイブリッドの小林可夢偉が記録したベストタイムに2秒強及ばなかった。コースコンディションの違いによるものとみられる。
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予選前のフリープラクティス3でコースオフがあったピポ・デラーニは、セッション前に行われたブレーキ交換に関する不具合であったと説明している。
「ブレーキ交換をしたのだが、システムの中にエアが入っていた。それで、ブレーキを踏んだら、フロントが不意にロックしてしまい、残念ながらコースアウトしてしまった」
■“ハミ出せない”ラ・ソースが混乱を生む?
LMGTEアマクラスのポールシッターとなったTFスポーツのベン・キーティングは、以前はグラベルだったランオフエリアがターマックとなったことにより、スタート直後の1コーナー『ラ・ソース』が、「本当にひどい」状況になる可能性があると見ている。
「あそこのグラベルにはまるクルマがいるのは確実だろう」とキーティング。
「ここ何年かを遡れば、ターン1は大混乱で、それはオー・ルージュにたどり着く前にどうなるか、みんな分かっているはずだ。そのオプション(ランオフエリアを走る)はもうないんだ」
なお、ターマックのランオフエリアの上にグラベルを敷き詰めたにも関わらず、トラックリミットを監視するカメラは依然設けられている。カメラはラディオン、マルメディ、ターン9、プーオン、キャンパスとスタブローの間、ブランシモンに配置されている。
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ポルシェのファクトリードライバーであるケビン・エストーレは、スパで新しいヘルメットを導入した。フランス人の彼は、白、黒、赤が配された新しいデザインを、ツイッター上で披露している。