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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.05.31 10:58
更新日: 2022.05.31 11:02

電動化シフトで存続が懸念されるアウディスポーツ「いずれは転換が必要」とカスタマーレーシング責任者

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ル・マン/WEC | 電動化シフトで存続が懸念されるアウディスポーツ「いずれは転換が必要」とカスタマーレーシング責任者

 アウディスポーツのカスタマー・レーシング責任者であるクリス・ラインケは、アウディの自動車部門が電動モビリティにますます力を入れていることを受け、その活動を再編成する可能性があることを認める一方、GTレース部門が整理されるかもしれないという噂を否定した。

 アウディは、ブランド戦略としてアグレッシブな電動化目標を推し進めており、世界市場に投入する新型車を2026年までに電気駆動システム搭載車両のみとすることを表明している。

 この計画においては現行のR8が内燃エンジンを搭載した後継モデルを持つことはなさそうなため、アウディスポーツが長くは存続できないのではないかという憶測を呼んでいる。

 しかしラインケは、モータースポーツ部門が短期間のうちに消滅するという見解を否定し、最近2台の新型車両を投入したという事実を指摘している。

 アウディは昨年から今年にかけ、R8 LMS GT3 エボⅡ、およびRS3 LMS TCR 2を世界のカスタマーに向け発表・投入しており、GT3車両には3年のホモロゲーション期間がある。また、R8をベースとしてGT4およびGT2マシンも生産しており、いずれも2020年には最新のアップデートが施されている。

TCRヨーロッパを戦うComtoyou Racingの第2世代アウディRS3 LMS
TCRヨーロッパを戦うComtoyou Racingの第2世代アウディRS3 LMS

「我々は第2世代となるRS3を発表したばかりであり、その台数を見る限り、我々の最大の売り物であることは間違いない」とラインケは語っている。

「新しいR8 GT3 エボⅡもリリースしたばかりだ。通常、我々はホモロゲーション期間と同様に少なくとも3年はそれを走らせるし、(今回も)少なくともそれを実行することを意図しており、確約もされている」

「これらの議論が持ち上がっていることは明白だ」

「我々としては、最近ふたつの主要なプログラムが3年間確保され、確認されたことは、内部的にとてもサポートされた、非常に安定した足場であると感じている」

「正直なところ、この(ニュルブルクリンク24時間の)ピットレーンにおいて、向こう3年間にもっとも売れるふたつの製品が確定しているという特権を、(我々以外に)だれが享受しているというのだ?」

「だから私としては何も心配することはないのだが、いずれは答えなければならないだろう。『その3年間が終わったあとはどうなるのか?』という問いに対してね」

「だが現在のところは、カスタマーがどのように新しい車両を受け入れてくれているかについては満足している」

 現在のホモロゲーションサイクルが終了すれば内燃エンジンから離れる必要があることを認めながらも、アウディスポーツは電動モビリティの未来において居場所があるとラインケは信じている。

「もちろん、我々は皆、いずれは転換しなければならないと思う。問題はどの程度まで、そしてどのような分野で、それを実現するかだ」

「我々の製品群の母船のターゲットが電動化であるからといって、カスタマーレースが終わるわけではない」

「我々は(アウディの量産車と)同じような速度で転換するか、それを推進するために前もって転換するか、フォロワーに対応するために位置づけられるかのどれかだ」

「いま話した3年を終えたあと、我々が何をするか。これは、戦略的な決定として為されなければいけない」

「我々が世界中に持つインフラを利用しないのは、間違いなく愚かなことである」

■次のページへ:FIAエレクトリックGT選手権への参戦も「検討の余地あり」

アウディに6度目のニュルブルクリンク24時間優勝をもたらしたアウディスポーツ・チーム・フェニックス
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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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