ル・マン24時間レースをオーガナイズするACOフランス西部自動車クラブは、6月5日に行われる第90回ル・マン24時間レースのテストデーのセッションに参加する全62台のチームとドライバーを、6月1日付で発表した。
同じく1日付で本戦向けのエントリーリストもアップデートされており、この本戦向けエントリーに第4・第5のドライバーを追加したものが、テストデーへのエントリーリストとなっている。
テストデーでは、いくつかのチームが追加ドライバーをエントリーさせている。例年のようにトヨタGAZOO Racingは7号車GR010ハイブリッドに8号車のドライバーである平川亮とブレンドン・ハートレーを、また8号車に7号車のドライバーであるマイク・コンウェイと小林可夢偉を追加している。
これと同様の動きは、ジョイントプロジェクト含め3台をエントリーさせているLMP2のチームWRT陣営でも見られる。
テストデーのみの参加として注目すべきは、LMP2のチーム・ペンスキーが、ポルシェファクトリードライバーであるマシュー・ジャミネ、そして元DTMドライバーのハリソン・ニューウェイを、5号車オレカ07・ギブソンの追加ドライバーとして登録している点だ。
なお、既報のとおりペンスキーはこのル・マンをもって2022年WEC世界耐久選手権での活動を終了、“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”として新型ポルシェLMDh車両で参戦する2023年の活動に備えるとしている。
チーム・ペンスキーのマネージング・ディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、追加されるふたりがレースウイークではリザーブドライバーの任に就くと説明した。
「基本的には、誰かが病気などにかかったりする可能性をカバーしようとしているのだ」とディウグイド。
「それが主な目的だ。何かが起きたときに、選択肢があることを確かにしておきたい。でももし(テストデーが)大雨になったりしたら、全員は走れないかもしれない。そういう状況だ。そうならないことを願いたい。ここではトラックタイムは失いたくないからね」
「だが、主な目標としては午前中にみんなを何周か走らせて、その日の様子を見ることができればいいね」
ジャミネとペンスキーの関係は、ポルシェがジャミネをファクトリードライバーとして雇っていること、そしてポルシェが来季ペンスキーとファクトリーLMDhプログラムを予定していることから、もたらされたものだ。
一方のニューウェイは以前、ポルシェLMDhプロジェクトに関わる重要な技術パートナーであるマルチマチック社と契約していた。だが、マルチマチックの広報担当者によれば、ル・マンにおけるペンスキーのバックアップというニューウェイの役割は、同社とは無関係であると述べている。
加えてディウグイドは、今回のル・マンテストデーへのエントリーが両ドライバーのLMDhプログラムへの関与を示唆するものだとする見解を否定している。ちなみにジャミネは、ポルシェLMDhマシンをすでにテストしたことで知られている。
「(今年の)ル・マンに向けた基盤作りのため、としか言いようがない」と、ディウグイドは言う。
「ハリソンもマシューもル・マンのレースで走ったことがあるから、リザーブドライバーの規定上必要となるシミュレーターセッションや他の多くのことをする必要はない。だから、チームにとっては残りのテストも含めて、より簡単な選択なんだ」
このほか、テストデーのみに参加するドライバーとしては、昨年インディライツに参戦したアレックス・ペローニがいる。ペローニはLMP2クラスのアルガルベ・プロ・レーシング47号車オレカ07で周回を重ねる予定だ。
また、マテイ・コノプカがLMP2のARCブラティスラバ44号車オレカから、ジョディ・ファニンがLMGTEアマクラスのJMWモータースポーツ66号車フェラーリ488 GTE Evoから、テストデーへと出走する。
加えて、プジョーのル・マン・ハイパーカー(LMH)ドライバーであるポール・ディ・レスタが、LMP2のユナイテッド・オートスポーツUSA23号車オレカからテストデーに参加することが明らかとなった。
今季開幕戦のセブリング1000マイルレースでは23号車のレースラインアップに加わり、クラス優勝を果たしているディ・レスタは、ル・マンの翌戦モンツァで、プジョーからハイパーカークラスへのデビューを控えている。