わずか15分にアクシデント続発、大半がイエロー下の走行に【タイム結果】2022年WEC第3戦ル・マン24時間 ウォームアップ

　6月11日、2022年WEC世界耐久選手権第3戦／第90回ル・マン24時間レースの決勝を前にしたウォームアップ走行がフランス、ル・マンのサルト・サーキットで行われ、トヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッド（マイク・コンウェイ／小林可夢偉／ホセ・マリア・ロペス）がトップタイムをマークした。

　決勝日の朝を迎えたル・マン。前日の10日には走行がなく、多くの陣営が決勝向けにマシンを整備、各種コンポーネントを載せ替えていると見られ、10時30分から15分間のこのセッションでは、それらの動作チェックや、決勝に向けたセットアップの最終確認が主なメニューとなったはずだ。

■緊急出場のデ・フリースは“最低3周”が条件

　ドライコンディションのもと、気温18度／路面温度30度で、短いセッションはスタート。決勝ではフロントロウからスタートするトヨタGAZOO Racingの2台は、8号車GR010ハイブリッドがセバスチャン・ブエミ、7号車はコンウェイがステアリングを握ってコースへと出て行った。

　LMP2クラス、TDSレーシング×バイヨンの13号車では、本来エントリーされていたフィリップ・シマドモの出場停止処分により、前日にドライバー交代がアナウンスされたニック・デ・フリースが、この週末初めてサルト・サーキットを走行。決勝への出場条件としてスチュワードから課された『最低3周』をこなすべく、コースへと出ていった。

　そんななか、アウトラップでグリッケンハウス・レーシングの709号車グリッケンハウス007 LMHがミュルサンヌ出口の縁石に乗る形でスピン。フランク・マイルーはそのままコースイン側へとマシンを止めてしまう。これでスローゾーンが導入された。

　さらに、LMGTEプロクラスのポールシッターであるコルベット・レーシングの64号車シボレー・コルベットC8.Rをドライブするニック・タンディがスロー走行でピットへと戻っていく。

　セッション残り8分を切り、インディアナポリスでベクター・スポーツ10号車オレカ07・ギブソンのニコ・ミューラー、ダンロップシケインでDKRエンジニアリング3号車オレカのローレンツ・ホアが相次いでコースオフを喫してしまい、残り約6分半の時点でフルコースイエローが導入される事態となってしまう。

　ミューラーの10号車は無事にコースへと戻され自走を続けたが、3号車はクレーンにより撤去されている。

　フルコースイエローが解除されたのは、セッション残り1分。13号車のデ・フリースはこの時点でなんとか3周の走行を終えている。セッションはそのままチェッカーを迎えた。

　この状況でタイムシートは参考程度でしかないものの、トップタイムはトヨタ7号車のコンウェイが記録。LMP2クラスのWRT31号車オレカが続いている。

　これで決勝前の走行はすべて終了。24時間にわたる決勝レースは、現地時間16時（23時）にスタートする。

　なお、スタート前には、昨年限りでドライバーから退き、今年からトヨタGAZOO Racing・ヨーロッパの副会長に就任した中嶋一貴氏が、1985年にトヨタがル・マンへ初参戦した際、父・悟氏がドライブしたトヨタトムス85Cに乗り込み、トロフィー返還セレモニーに臨む予定となっている。

■2022年WEC世界耐久選手権第3戦ル・マン24時間 ウォームアップ暫定結果

※リザルトは編集部集計