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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.07.10 18:53
更新日: 2022.07.10 20:45

ハイブリッドは「使わなくてもタイムは変わらない」と小林可夢偉。トヨタが置かれたBoPの厳しい現状/第4戦モンツァ

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ル・マン/WEC | ハイブリッドは「使わなくてもタイムは変わらない」と小林可夢偉。トヨタが置かれたBoPの厳しい現状/第4戦モンツァ

 7月10日、WEC第4戦モンツァ6時間レースは、決勝日を迎えた。気温の上昇が予想されるなか、現地時間正午のスタートを前に、トヨタGAZOO Racingのチーム代表兼7号車ドライバーを務める小林可夢偉と、8号車の平川亮が、現地からリモート形式の取材に対応。新たに登場したライバルであるプジョー9X8への印象や、現在のBoP(性能調整)の状況などを交えつつ、決勝への展望を語った。

 9日に行われた予選では、708号車グリッケンハウス007 LMHがポールポジションを獲得。トヨタの2台は8号車GR010ハイブリッドが2番手、7号車が4番手となっていた。

 可夢偉は「予選自体は、グリッケンハウスが想像以上に速かったというところですね。このモンツァでは、僕らのクルマはBoP上、厳しい戦いにはなっていますが、レースペースの方が予選よりも(ライバルに対して)いいというデータも取れているので、レースではしっかりと戦って、ミスなくレースをしたい」と現状と決勝への意気込みを語った。

 プジョーの参加もあり、今回のグリッドは38台という台数に膨れ上がっており、「おそらくこのWECシリーズでも、ル・マンを除けば一番台数が多いと思うので、FCYやクラッシュの可能性も踏まえて、しっかりとうまくマネージメントしていきたい」と、チームを統率する立場でもある可夢偉は、波乱も予想される決勝に備えている。

 一方、今年最高峰カテゴリーにデビューした平川は、モンツァについて「走行は5年ぶりとかだったのですが、一昨日・昨日とフリー走行を走ってすぐにサーキットは思い出すことできました」と語った。

 セバスチャン・ブエミ、前戦ル・マンでは優勝を遂げたが、そこで“走り込んだ”ことでGR010ハイブリッドへの習熟が進んだ面もあったとようだ。

「ル・マンでは目が回るくらい(たくさん)走ったので、クルマにもル・マンで慣れた感じはあって、(モンツァでは)練習での感触もすごく良かったです」

「ただ、レースは長いですし、プジョーが入ってきて、より厳しい戦いになると思うんですけど、ル・マンでやってきたことを引き続きやるだけだと思ってますし、ル・マンで勝って今度はチャンピオンシップかかってますし、次の富士の前の大事なレースになってくるのでル・マンで走ったように……というかそれ以上を自分なりに目指していければなと思います」

「速さ的にはBoPで絞られていますけど、安定性だったりチーム力では僕ら全然勝っていると思うので、そこでしっかりと発揮できればなと思ってます」

8号車トヨタGR010ハイブリッドをドライブする平川亮
8号車トヨタGR010ハイブリッドをドライブする平川亮

 続いて、今回から参戦のプジョーについて平川は「コース上ではまだ出会っていない」としながらも、「正直、完成度は高いと思っています」と評している。

 ただ、予選では93号車がストップして赤旗の原因となったように、その信頼性にはまだ疑問符がつく状態のようだ。

 可夢偉も「しっかり走り込んでパフォーマンスはしっかりやってきたのかなとは感じるものの、信頼性の方の不安というのは噂でも聞いていまして、そういう意味では僕らがまずは信頼性高く、クルマの性能を引き出すことに集中できれば、いいレースはできるのかなと思っています」と述べている。

 続いて、プジョーは150km/hからフロントアクスルのハイブリッド・モーターが使え、トヨタは190km/h以上とされている現在のBoPについて問われた可夢偉は、GR010ハイブリッドが置かれている現状を以下のように説明した。

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