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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.07.24 16:36
更新日: 2022.07.24 16:52

プロ同士の白熱バトルも。トリプルエイトの99号車メルセデスがレース2を制す/GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士

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ル・マン/WEC | プロ同士の白熱バトルも。トリプルエイトの99号車メルセデスがレース2を制す/GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士

 7月24日、ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSは第3ラウンドの決勝レース2となる第6戦が静岡県の富士スピードウェイで行われ、ピットストップ後にトップに立ったトリプルエイトJMRの99号車メルセデスAMG GT3(H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/ニック・フォスター)が優勝を飾り、開幕戦セパンに続く今季2勝目をマークした。

 前日午前に行われたドライバー2予選の結果によりグリッド順が決定され、ポールポジションスタートは第5戦優勝のカーガイ・レーシング777号車フェラーリ488 GT3のケイ・コッツォリーノ、2番手からはDステーション・レーシング47号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3の藤井誠暢、3番手からはトリプルエイトJMR99号車メルセデスAMG GT3のニック・フォスターがスタートを切ることとなった。

 レース距離(時間)はこの日も1時間、25〜35分の間にピットインしてドライバー交代が義務付けられるフォーマット。なお、GTWCアジアでは前戦の成績に応じてピットストップタイムが加算されるハンディキャップシステムが設けられており、前日の第5戦のGT3、GT4各クラストップ3には、1位15秒、2位10秒、3位5秒が、規定のミニマム・ピットタイム(GT3/GTCは90秒、GT4/TC Invは125秒)に加算される。

 晴天のもと迎えたスタートでは、グリーンシグナル点灯とともにポールポジションのコッツォリーノがダッシュを決める。99号車メルセデスのフォスターと4番手スタートのヨギボー・レーシング27号車フェラーリの藤波清斗が3番手を争うが、27号車がコカ・コーラコーナーで3番手をつかむ。

 さらにこのオープニングラップでは、トリプルエイトのもう一台、888号車のジャズマン・ジャファーがプラス・ウィズ・BMWチーム・スタディ5号車BMW M4 GT3の荒聖治、チームメイトの99号車をかわして4番手に浮上した。

GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 スタートシーン
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 スタートシーン

 トップのコッツォリーノ、2番手藤井はそれぞれ単独走行となる一方、3番手の藤波には後続が迫る展開に。4周目のGRスープラコーナーでは、99号車フォスターが888号車ジャファーの前に出ると、続く5周目のTGRコーナーでフォスターが藤波のリヤを軽くプッシュし、その後前に出た。

 6周目、コカ・コーラコーナーからグリーンファイト100Rにかけて、27号車藤波は888号車、5号車に相次いでパスされると、次の周のTGRコーナーまでにポルシェセンター岡崎30号車ポルシェ911 GT3 R、EBMギガ・レーシング8号車ポルシェにも先行を許す。

 ここで4番手の888号車メルセデスには、スタート違反によりドライブスルー・ペナルティが発出。しかしなかなかペナルティを消化しない888号車に対し、ついには黒旗が振られることとなった。

 この間にも2番手の47号車藤井に99号車フォスターが迫っていき、2台はGT4のバックマーカーを絡めながら、度々サイド・バイ・サイドの接近戦を演じる。12周目のパナソニック・コーナー立ち上がりから2台は並走状態となると、13周目のTGRコーナーでついにフォスターが2番手奪取に成功。この時点で、首位777号車コッツォリーノからフォスターまでのギャップは7秒ほどとなっていた。

 3番手にポジションを下げた藤井には、今度は5号車BMWの荒、30号車ポルシェの上村優太が迫る。藤井と荒は15周目の2コーナー〜コカ・コーラコーナーでテールとノーズが接触する。この接触は一時審議となったが、最終的にはセーフと判定され、ペナルティは発出されなかった。

 25分が経過してピットウインドウがオープンとなると、中位のマシンからピットへ。17周目、コカ・コーラコーナー進入で荒が藤井をかわし、ついに3番手へと浮上。この周の終わり、藤井は上位陣では一番早いタイミングでピットに飛び込んだ。

 19周を終え、コッツォリーノのリードは6.3秒。2番手フォスターはファステストを出しながら、コッツォリーノとのギャップを詰めていく。

 残り26分、20周目を終えたコッツォリーノとフォスターはそろってピットへ。ここで777号車は前日優勝分の“+15秒”ハンデが効き、99号車に逆転を許すことに。ここからレース後半は、アマドライバー同士の対決へ突入していく。

 2番手でピットアウトした777号車木村武史は、前の周にピットを済ませていた5号車山口智英のプレッシャーを背後に受けることとなる。前日の決勝でニュータイヤを使い切り、この日は予選で使用した中古タイヤで挑んでいたという777号車は、翌22周目の100Rで一瞬グリップを失い、この隙に5号車山口が先行、さらに直後のアドバン・コーナー立ち上がりでは30号車ポルシェの永井宏明も木村をとらえ、表彰台圏内へとポジションアップを果たした。

ピット作業後、一時は2番手へと浮上したプラス・ウィズ・BMWチーム・スタディの5号車BMW M4 GT3
ピット作業後、一時は2番手へと浮上したプラス・ウィズ・BMWチーム・スタディの5号車BMW M4 GT3

 こうして2番手へと上がった5号車だったが、ピットストップタイム違反があったとして1秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けることに。計時情報によれば5号車のピット入口から出口までの所要時間は89秒740と、わずかに90秒に満たなかった。これで30号車ポルシェが2番手、777号車フェラーリが3番手、27号車フェラーリの横溝直輝が4番手というオーダーに変わる。

 99号車H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒムは、当初10秒以上あった2番手との差を徐々に減らしてはいったものの、7秒ほどのマージンを残して危なげなくトップチェッカー。2位には30号車ポルシェが入った。

 3番手争いはファイナルラップで3台1パックとなったが、最終コーナー立ち上がりから27号車横溝に並びかけられるなか、木村がなんとかフィニッシュラインへ逃げ切り、777号車が表彰台を手にしている。

 GT4クラスはポールポジションスタートの恒志堂レーシング12号車トヨタGRスープラGT4が序盤をリード。前日優勝分のハンデもありピットアウト後は一時ポジションを下げるも、その後首位に返り咲く。しかし、これを残り4分のところで逆転したチーム・スカラ55号車のメルセデスAMG GT4(田代淳/谷川達也)が、クラス優勝を遂げている。

 GTWCアジアの第4ラウンドは8月19〜21日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

総合優勝を喜ぶニック・フォスターとH.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム
総合優勝を喜ぶニック・フォスターとH.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム
EBMギガ・レーシングの18号車ポルシェ911 GT3 R
EBMギガ・レーシングの18号車ポルシェ911 GT3 R
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT3アマクラス表彰台
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT3アマクラス表彰台
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4クラスのスタートシーン
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4クラスのスタートシーン
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4オーバーオール表彰台
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4オーバーオール表彰台
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4アマクラス表彰台
GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士 GT4アマクラス表彰台

ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイAWS
第3ラウンド富士/第6戦決勝レース結果

Pos. No. Cat/Class Team Car Driver Laps/Gap
1 99 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/N.フォスター 35Laps
2 30 GT3 Pro-Am* ポルシェセンター岡崎 ポルシェ911 GT3 R 永井宏明/上村優太 7.828
3 777 GT3 Pro-Am* カーガイ・レーシング フェラーリ488 GT3 木村武史/ケイ・コッツォリーノ 23.610
4 27 GT3 Silver ヨギボー・レーシング フェラーリ488 GT3 横溝直輝/藤波清斗 23.701
5 18 GT3 Silver EBMギガ・レーシング ポルシェ911 GT3 R K.クシリ/T.サティエンティラクル 23.960
6 16 GT3 Pro-Am* ABSSAモータースポーツ マクラーレン720S GT3 小泉洋史/澤圭太 35.548
7 19 GT3 Am* B-Maxエンジニアリング ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ 濱口弘/大蔵峰樹 42.616
8 22 GT3 Pro-Am アウディスポーツ・アジア・チームXワークス アウディR8 LMSエボII D.プン/S.トン 44.452
9 47 GT3 Pro-Am* Dステーション・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR GT3 星野敏/藤井誠暢 50.452
10 2 GT3 Am* チーム・ウエマツ マクラーレン720S GT3 植松忠雄/内田優大 1’13.113
11 60 GT3 Pro-Am* LMコルサ フェラーリ488 GT3 中西慧/脇阪薫一 1’16.477
12 8 GT3 Pro-Am EBMギガ・レーシング ポルシェ911 GT3 R S.サントソ/R.ハーカー 1’18.413
13 7 GT3 Am* コメット・レーシング ホンダNSX GT3 山﨑裕介/辻子依旦 1’22.594
14 51 GT3 Am AMACモータースポーツ ポルシェ911 GT3 R A.マクファーソン/W.ベン・ポーター 1’26.123
15 5 GT3 Pro-Am* プラス・ウィズ・BMWチーム・スタディ BMW M4 GT3 山口智英/荒聖治 1’32.233
16 666 GTC Am* ビンゴ・レーシング ポルシェ911 GT3カップ BANKCY/武井真司 2Laps
17 55 GT4 Silver-Am* チーム・スカラ メルセデスAMG GT4 田代淳/谷川達也 3Laps
18 12 GT4 Silver-Am* 恒志堂レーシング トヨタGRスープラGT4 佐藤元春/平中克幸 3Laps
19 33 GT4 Silver-Am* チームGMB メルセデスAMG GT4 羽田野宏明/細川慎弥 3Laps
20 14 GT4 Silver-Am GTOレーシングチーム メルセデスAMG GT4 B.リー/安岡秀徒 3Laps
21 71 GT4 Am* アキランド・レーシング トヨタGRスープラGT4 大山正芳/斎藤真紀雄 3Laps
22 56 TC INV Am* DGモータースポーツ BMW M2 CSレーシング 東風谷高史/石井一輝 3Laps
23 4 GT4 Am* コメット・レーシング メルセデスAMG GT4 坂井一裕/藤井正明 4Laps
24 101 TC INV Am* BMWリーガル・トップ・レーシング BMW M2 CSレーシング 青木拓磨/高橋裕史 7Laps
NC 888 GT3 Pro-Am トリプルエイトJMR メルセデスAMG GT3 H.H.プリンス・アブ・バーカー・イブラヒム/J.ジャファー 21Laps

*=JapanCup
※リザルトは編集部集計


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