7月31日、ベルギーが誇る伝統のグランプリサーキット、スパ・フランコルシャンで第74回『トタルエナジーズ・スパ24時間』の決勝レースが行われ、ラファエル・マルチェッロ/ダニエル・ジュンカデラ/ジュール・グーノン組88号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・アコーディスASP)が総合優勝を果たした。
2022年シーズンのIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第2戦、およびGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第7戦として7月28日から開催されたスパ24時間。“世界三大耐久レース”のひとつに数えられるイベントの決勝レースは、30日土曜の定刻16時45分にスタートが切られ、グリッドに並んだ合計66台のマシンが24時間後のフィニッシュを目指して走り出した。
ホールショットを奪ったのは、6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(オレンジ1・KPAXレーシング)のポール剥奪によりフロントロウ2番手からスタートした54号車ポルシェ911 GT3 R(ダイナミック・モータースポーツ)だったが、2スティント目には首位の座をライバルに奪われてしまう。
レースが進むにつれ、ペースで勝る2号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・ゲットスピード)やポールシッターの88号車メルセデスAMG GT3(AMGチーム・アコーディスASP)、ストラテジーで上位に進出してきた71号車フェラーリ488 GT3エボ(アイアン・リンクス)、98号車BMW M4 GT3(ローヴェ・レーシング)などがレースを牽引するようになり、折り返しとなる12時間目は98号車と姉妹車の50号車M4 GT3(BMWジュニアチーム・ウィズ・ローヴェ)がワン・ツーで通過した。
88号車メルセデスが2台のBMWの間に割って入った13時間目。前年の大会で2位となった現GTWCヨーロッパ王者32号車アウディR8 LMSエボII(アウディスポーツ・チームWRT)が、僚友46号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)との不幸な事故によって戦列を離れる。
スタートから14時間12分後、47号車ポルシェ911 GT3 R(KCMG)がターン1“ラ・ソース”で71号車フェラーリを交わして総合首位に。グリッド最後方66番手からのスタートとなったKCMGがトップに立った瞬間だった。その後、抜かれた71号車にはフルコースイエロー(FCY)時の違反によりドライブスルー・ペナルティが科せられている。
アイアン・リンクスのもう一台、51号車フェラーリ488 GT3エボと98号車BMW、そして47号車ポルシェがピットタイミングの差によって順番に首位に立っていくなか、17時間目に立て続けにFCYが導入されたことでこのバランスが変化していく。
また、98号車BMWがリードして迎えた18時間目には、ブランシモンの入口で93号車メルセデスAMG GT3(スカイ・テンペスタ・レーシング)にリヤをつつかれた188号車マクラーレン720S GT3(ガレージ59)が大クラッシュを喫し、この事故対応のために導入された長時間のFCYとセーフティカー(SC)ランにより、ふたたびストラテジーがシャッフルされることとなった。