ユナイテッド・オートスポーツUSAからWEC世界耐久選手権に参戦するフィリペ・アルバカーキは、ル・マン24時間レースで与えられる通常の2倍のポイントが、WECの残りのシーズンのタイトル争いを「台無しにしている」と表現し、ポイントシステムの変更を求めている。
現在、年間6戦が開催されているWECにおいては、ル・マン24時間レースでの各クラス優勝者には通常の(6時間レースの)ラウンドで与えられる25点の2倍となる、50ポイントが付与されている。
6月の2022年第3戦ル・マン24時間ではオープニングラップでの接触もあってクラス10位と低調な結果に終わり、LMP2のタイトル争いにおいて大きな打撃を受けたユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07を駆るアルバカーキは、現在のポイントシステムに「納得がいかない」と語った。
アルバカーキは、ル・マンの優勝者に与えられる50ポイントが不公平なアドバンテージとなり、ライバルチームは残りのラウンドでその差を埋めるのに苦労している、と主張している。
「それは僕が毎年獲得しているポイントであり、(ルールは)シリーズが決めたものにすぎないけど、ル・マンの50ポイントには賛同できない。なぜなら、ル・マンはチャンピオンシップの真ん中にあり、後半の3レースが台無しになるからだ」と、アルバカーキはSportscar365に対し語った。
「もし最初の2レースでいい結果を出し、(第3戦)ル・マンで優勝できたとする。一方で他のチームは、後方でフィニッシュしたり、トラブルやクラッシュなど自分ではコントロールできないことがあって、0ポイントになったとする。そのあとに50ポイントを回復するためには、少なくとも2レースを使わなければならない」
「シリーズを観る者にとっては、最終戦までチャンピオンシップの行方を見守ることができなくなる。だから、シーズン中盤のル・マンがそれを台無しにするようなものなんだ」
「もしパドックで『ル・マンで勝つことと、世界選手権のタイトル、どちらが欲しいか』と聞いて回ったら、それは拮抗していると思う。だから、最終的なタイトル獲得のためにル・マンのポイントを増やすことは、タイトル争いからアドレナリンを奪うことになると思うんだ」
FIAとACOフランス西部自動車クラブは、現行システムの代わりに通常のポイントを付与する方がいい、と2020年にユナイテッドでル・マンのLMP2クラスを制したアルバカーキは言う。
ただしそれを機能させるためには、他のレースでのポイント構成も変更する必要がある。現在、1000マイルレースや8時間レースでは1.5倍のポイントが与えられているからだ。