ポルシェ・モータースポーツ・ノースアメリカ社長兼CEOのフォルカー・ホルツマイヤーによると、ポルシェは2023年1月下旬に開催されるデイトナ24時間レースに向け、最大6台の新型911 GT3 Rをグリッドに並べることを目指しているという。
先月、ベルギーで行われたトタルエナジーズ・スパ24時間において、992型ポルシェ911 GT3 Rを発表したドイツのメーカーは、来年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦にとくに力を入れている。フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるこのレースは、同モデルがカスタマーチームに渡ってから最初に実施されるメジャーイベントとなる。
ホルツマイヤーはSportscar365に対し、現在のサプライチェーンの問題が初期の生産台数に影響を与える可能性があるとしながらも、GTDプロクラスとGTDクラスのグリッドに向けて充分な数のクルマを用意する自信があると述べた。
「それを言うのは本当に難しい。なぜなら、過去にはクルマを作るために60セットのパーツを注文し、(それを受けた)サプライヤーは1年前にそれがうまくいくと言っていた」
「しかし、現在はそうではない。私たちはバッチを承認し、サプライヤーから承認を得てからクルマを販売している。だからステップ・バイ・ステップなんだ」
実際にデイトナで見たいクルマの数を尋ねられたホルツマイヤーは次のように語った。
「5、6台くらいかな。それ以上なら最高だし、それ以下でも構わない。いまは、興味を持ってくれている人たち全員に声をかけて、適切な人たちと適切なプログラムを組んでいる段階なんだ」
「GT3プログラムは、単にクルマを売って終わりではない。お客さまがトレーニングやサービスを必要とするため、複雑なんだ。質の高いサービスを提供するためには適切な人材と量が必要になる」
「『ディーラーでクルマを売って終わり』というものとは違う。売るからには、それなりのクオリティを提供するために、自分たちの努力が必要なんだ」
「そのため、それぞれのお客さまが何をどうしたいのかを詳しく調べ、その後の数週間で決定する」
「これまでのフィードバックは非常に良い。また、IMSA GTDでのブロンズドライバーを尊重するという意見もあって、グリッドにGTDマシンを増やすのに役立っている」
パフ・モータースポーツは2023年もGTDプロクラスに戻ることが決まっているが、ホルツマイヤーはプロ・アマカテゴリーであるGTDクラスに参加する可能性のある他のカスタマーチームとも話し合いを行っていると述べた。
それは、現在ライト・モータースポーツのみがフル参戦している、GTDでのシーズン中のポルシェの存在感を高める可能性があることを意味する。
ホルツマイヤーは、来年にはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが最高峰クラスのGTPに参戦するにもかかわらず、ファクトリードライバーの配置を含め、GTDプロととGTDのチームには来年も同じレベルのカスタマーサポートが行われることを示唆した。
「もちろん最終的にはチームが選択することだ」と彼は述べた。
「彼らがファクトリードライバーを求めるのであれば、我々は一緒に交渉の席について何ができるかを検討する。しかしカスタマーレースである以上、最後に選択するのは彼らだ」
「我々はできる限りの支援を行い、彼らが望むものを尋ねていく」