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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.09.09 10:16

チームWRT、2023年はBMW LMDhのテストと並行しLMP2に継続参戦。ラインアップ編成は“複雑な問題”

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ル・マン/WEC | チームWRT、2023年はBMW LMDhのテストと並行しLMP2に継続参戦。ラインアップ編成は“複雑な問題”

 チームWRTのヴァンサン・ボッセによれば、同チームは2023シーズンも現在と同じオレカ07・ギブソンの2台体制でWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦する予定だという。2021年にはル・マン24時間レースのLMP2クラス優勝、ならびにシリーズタイトルも獲得したベルギー籍のチームは来季、WECへの参戦3シーズン目を迎えることになる。

 WRTは先日、BMWのLMDhファクトリーチームとして、2024年からWECハイパーカークラスにBMW Mハイブリッド V8で参戦することを発表している。来季はこのLMDhのテストプログラムと並行して、プロトタイプでのレースも継続することになる。

「我々は2台のクルマでWECプログラムを行うことになる」とボッセは語っている。「それこそが、2024年シーズンに向けて必要なことなのだ」。

 ボッセは、WRTのWEC(LMP2)参戦は来季のみのことであるとし、今季のカレンダーに対するアプローチを繰り返すと明言した。

 WRTは2021年にLMP2に参戦し、WECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの両タイトル、ならびにル・マンのタイトルを獲得した。その後、ELMSのマシンをWECへと移して2台体制とすることで、2022年のプログラムを効率化している。

「我々は、LMPとGT、セパレート(分離)されたふたつのチームを持っている」とボッセ。

「来年はWECで7レース、さらにLMP2のテスト、ハイパーカーのテスト……と、どれだけやることがあるかを考えたら、いまいるメンバーに対しては充分すぎる(仕事)量だ」

 WRTはWECでの2台体制を維持する予定だが、ボッセによれば来季のドライバーラインアップ編成については、より複雑な問題を抱えているという。

 FIAによるドライバー・カテゴライゼーションの変更が不透明なため、来季のLMP2のシートは確定していない、とボッセは説明する。

 これについてはSROモータースポーツ・グループが昨年、現在認められているドライバー・カテゴライゼーションの見直しを提案し、現在のシルバーランクの最速ドライバーをゴールドランクに変更することを決めた。それがWECのLMP2クラスにおけるドライバーの組み合わせ要件にどう影響するかは、まだ発表されていない。

 また7月、WRTのドライバーであるフェルディナンド・ハプスブルクは、WECにファン所有のエントリーを作るという彼の新しいプログラム『レベル・チーム』の名の下で、WRTにマシンをオペレートさせる意向を示している。

リアルチーム・バイ・WRTのフェルディナンド・ハプスブルク
リアルチーム・バイ・WRTのフェルディナンド・ハプスブルク

 ボッセは「今年乗せたドライバーたちを、来年も乗せることができれば、とてもうれしい」と話す。

「ただ、ドライバーのカテゴリー分けには少し疑問符がつく。SROのシリーズで強いシルバーは、来年はゴールドになる。シルバーカップがゴールドカップになる。だから、カテゴライゼーション次第で、ペアリングを適合させていくんだ」

「その適合のために、WECについても待っている状態だ。プラチナドライバーはすでにメーカーと契約しているのに、彼らを走らせる意味があるのか?」

「だが、もしプラチナがまったくいなく、シルバーとゴールド(だけ)になれば、現在のシルバーとゴールドが将来に向けて力を発揮する機会が与えられる。その方がずっと理にかなっていると思う」

「今のところ、私にとってはグレーゾーンのようなものだ。これから数日、もっと理解できるように努力する。現時点では何も分からないので、来年のことを考えることはできない」

 WRTのLMP2における長期的な未来はまだ決まっていないが、BMW LMDhのプログラムは現在WECで2台のオレカをオペレートしているスタッフを活用することになりそうだ。

 ボッセは、2024年以降について、ヨーロッパを拠点とするLMP2チームにとってELMSが唯一の実現可能な道である可能性を示唆したが、現段階では何も決定していないと強調した。

「物事がどのように動いているかを見ることになる」と彼は語った。

「私が理解しているように、そしてクルマの台数を数えるだけでわかるように、2024年にはWECにLMP2マシンはほとんど存在しない。つまり別の選手権、要はELMSをやるということだ」

「WECを担当するスタッフとともに(ELMSを)やることはないだろう。でも、次の(レベルの)メカニックやエンジニアを養成するための場所という考え方もできるかもしれない。だが、まだそれを考える段階には達していない」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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