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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.09.24 20:22

GTWCアジアは「スーパーGTより疲れる」と藤波清斗。タイトル決めたカーガイ木村武史は「でき過ぎです」

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ル・マン/WEC | GTWCアジアは「スーパーGTより疲れる」と藤波清斗。タイトル決めたカーガイ木村武史は「でき過ぎです」

 岡山国際サーキットで9月24日に行われたGTワールドチャレンジ・アジア第9戦は、ヨギボー・レーシング27号車フェラーリ488 GT3(横溝直輝/藤波清斗)が今季2勝目を飾った。結果を見ればポール・トゥ・ウインだが、決して“楽勝”ではなかったという。

 金曜日の走行ではなかなかペースをつかむことができず、リズムに乗り切れずにいたというヨギボー陣営。「昨日はどうしようかと思ったけど、チームがセットアップを変えてくれて、予選で前に行けたのが大きかった」と横溝は振り返る。

 決勝では横溝がスタートを決め、じりじりと2番手以下を引き離していく展開となるが、バックストレートでの停止車両排除のため、セーフティカー(SC)が導入されてリードが霧散する展開となってしまう。

「あれはちょっとSCのシチュエーションじゃないような……結果的にはレースを面白くしたと思いますけど(笑)」と横溝。

 だが、ある意味ではこのSCがヨギボー陣営の味方となった部分もあった。SCの隊列のなかで横溝の直後にはGT4車両が走行しており、リスタートではタイミングを見計らって加速することで、GT4車両の後方に位置していた2番手以下に対していくらかマージンを稼ぐことができたのだ。

 また、リスタートのタイミングがピットウインドウのオープンと重なり、多くの車両がピットになだれ込むことが予想されるなか、上記のアドバンテージをさらに活かす形でヨギボーはステイアウトしピットインを引っ張った。実際、混雑するピットでタイムロスを喫した陣営もあったようだ。「あの決断は良かったと思います」と横溝も振り返る。

 こうして首位の座をキープしたまま後半の藤波へとバトンタッチした27号車だが、藤波はシルバークラス(シルバードライバー2名のコンビ)の車両に与えられる30kgのウエイトハンデに苦しんでいた。

「やっぱり30kgは効いてますね。ロングランではブレーキングも全然止まらないし、全然曲がらないし……でもなんとか粘れたので、本当に良かったです。でも明日のレースは予選で(トラブルもあって)前に行けなかったので、申し訳ないです」と藤波。

 背後に迫る同じフェラーリ、カーガイ・レーシング777号車のケイ・コッツォリーノから逃げるためにコクピット内で格闘していた藤波は、レース後に安堵の表情を見せながらも、「シビれますよ。GTより疲れる。グリップしないから、めっちゃ疲れるんですよ。シビアで、神経使いますから」とGTWCならではの苦労を口にした。

 これには横溝も「滑るか滑らないかの、ぎりぎりのところでコントロールしているので」と同調。そんな状況でも、ドライバーふたりの奮闘と前日からセットアップの進んだマシンのおかげで、ライバルよりも1.2秒早くフィニッシュラインに逃げ切ることができたのだった。

 通年参戦するヨギボーでは、横溝にGT3ドライバー選手権(オーバーオール)のタイトル獲得可能性がまだ残されている。

GTWCアジア第9戦岡山 を制したヨギボー・レーシングのフェラーリ488 GT3
GTWCアジア第9戦岡山 を制したヨギボー・レーシングのフェラーリ488 GT3

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