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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.11.13 04:17
更新日: 2022.11.13 05:22

トヨタ7号車優勝、2位8号車が戴冠。平川亮は参戦初年度にチャンピオンに輝く【WEC第6戦バーレーン決勝レポート】

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ル・マン/WEC | トヨタ7号車優勝、2位8号車が戴冠。平川亮は参戦初年度にチャンピオンに輝く【WEC第6戦バーレーン決勝レポート】

 11月12日、WEC世界耐久選手権の2022年シーズン最終戦となる第6戦『バーレーン8時間レース』が、バーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された。すべてのクラスでタイトルが決定するこの一戦では、トヨタGAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)が今季2勝目を挙げた。

 2位に入ったトヨタのもう1台、8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が、ハイパーカークラスのドライバーズタイトルを獲得。平川は最高峰クラスへの参戦初年度で、ル・マン24時間レース優勝とシリーズ制覇を成し遂げることとなった。

 このワン・ツー・フィニッシュにより、トヨタはハイパーカーのマニュファクチャラーズタイトルも決めている。トヨタにとっては、4年連続でのダブルタイトル獲得となった。

■中盤まではトヨタ8号車がリード。プジョーにトラブル

 予選前の時点で同点でランキング1、2位を形成していたトヨタ8号車とアルピーヌ・エルフ・チームの36号車アルピーヌA480・ギブソンは、前でフィニッシュした方がドライバーズタイトルを獲得するという状況で迎えた最終戦。

 予選でポールポジションを獲得した8号車トヨタGR010ハイブリッドはブエミ、2番手プジョー・トタルエナジーズの93号車プジョー9X8はポール・ディ・レスタ、以下グリッド順にトヨタ7号車はロペス、プジョー94号車はグスタボ・メネゼス、アルピーヌ36号車はニコラ・ラピエールがスタートドライバーを務めた。

 現地時間13時56分、気温35度/路面温度44度という晴天のなか、フォーメーションラップがスタート。14時ちょうどにスタートが切られると、アルピーヌがひとつ順位を上げ、94号車の前へ。さらにターン8で7号車を攻略して3番手へとポジションアップする。

2022年WEC第6戦バーレーン8時間レース スタートの様子
2022年WEC第6戦バーレーン8時間レース スタートの様子

 ここでLMGTEアマクラスの車両がターン10でスピンし、コース上にストップしたことで、オープニングラップからセーフティカー(SC)が導入される展開に。SC明け翌周、7号車ロペスがアルピーヌ36号車を逆転、3番手を奪い返した。

 最初のピットインは、アルピーヌ36号車から。左側2輪を交換し、マシュー・バキシビエールへと交代する。続いて93号車もピットインし、左側2輪を交換。59分経過時点で7号車と94号車がピットへと向かい、ともに左側2輪を交換する。ここで7号車が93号車をオーバーカットし、2番手へと浮上した。続いて8号車が最初のピット作業を行い、こちらも左2輪を交換し7号車の鼻先でコースに復帰。トヨタのワン・ツー体制となった。

 この2スティント目に入って、プジョー94号車のグスタボ・メネゼスがアルピーヌ36号車をパス。プジョーが3&4番手、アルピーヌは5番手へと転落した。

 2時間が経過する直前、ディ・レスタがドライブする93号車が、1コーナーで突如コースオフ。グリーンにマシンを停めてしまう。ディ・レスタからの無線によれば、ギヤボックストラブルのようだ。

 これにより1時間59分時点でFCYに。すると導入直後に93号車が息を吹き返し、コースへと復帰、ガレージへ向かった。このFCYのタイミングで、トヨタの2台と94号車はピット作業を行う。8号車はハートレー、7号車はコンウェイへとドライバー交代する。

 ピットアウト直後、プジョー94号車が一度コースにマシンを止める場面も見られたが、その後レーシングスピードに復帰。3番手は守っている。

 2時間30分経過を前に、7号車が8号車へと追いついていくと、3時間10分経過時点でトヨタの2台はポジションを入れ替え、7号車コンウェイが首位に立つこととなった。

 4時間経過を前に、3番手を走っていたプジョー94号車のロイック・デュバルが1コーナー先で突然ストップ。システムリセット後、再び走行を開始したものの、ガレージへとマシンを戻した。これにより、アルピーヌ36号車が3番手へと浮上することになった。

総合3位に入るも、タイトルには届かなかったアルピーヌA480・ギブソン
総合3位に入るも、タイトルには届かなかったアルピーヌA480・ギブソン

 4時間5分が経過したところで7号車には可夢偉が乗り込んだ。直後、8号車も平川へとドライバーチェンジを行なう。4時間10分が経過したところで、デブリ回収のためFCYが導入されると、ここでアルピーヌはピット作業を行ったが、トヨタに対してはすでに1ラップダウンとなっている。

 首位可夢偉は背後の平川との差を少しずつ広げていき、5時間40分が経過する頃には30秒以上にまで拡大する。

 6時間10分を経過し、トヨタ8号車はブエミへと交代。次の周には7号車もピットインし、ロペスへと交代した。この後もトヨタ2台は40秒ほどの差を保持。残り50分、8号車はハートレーへ、7号車はコンウェイへとドライバー交代し、フィニッシュを目指した。

 この後もトヨタ2台は危なげなく走り、ワン・ツーでチェッカーを迎えた。7号車は第2戦スパ以来の今季2勝目。そして2位に入った8号車の3人が、ドライバーズタイトルを手にした。

 3位表彰台はアルピーヌの36号車。A480・ギブソンは、これが最終レースとなった。プジョー9X8勢は、94号車が4位フィニッシュ、93号車は最終的にはガレージでレースを終えている。

WEC第6戦バーレーン8時間 8号車トヨタGR010ハイブリッド
WEC第6戦バーレーン8時間 8号車トヨタGR010ハイブリッド
総合4位でフィニッシュした94号車プジョー9X8
総合4位でフィニッシュした94号車プジョー9X8

■LMP2:WRT31号車が優勝、JOTA38号車がシリーズ制覇

 全車がオレカ07・ギブソンのパッケージで争われるLMP2クラスでは、オープニングラップでユナイテッド・オートスポーツの22号車を駆るフィリペ・アルバカーキがクラストップへ。ポールポジションのリアルチーム・バイ・WRT41号車のフェルディナンド・ハプスブルクは2番手に後退する。ランキング首位のJOTA38号車はロベルト・ゴンザレスがスタートを担当し、序盤のうちに順位を下げていった。

 1時間過ぎに導入されたFCYのタイミングで多くの陣営が2回目の作業を行うと、2番手に23号車が浮上、ユナイテッド・オートスポーツのワン・ツー体制となる。しかし、3度目のピット作業を終えると、WRTの31号車が首位へと躍り出た。

 レース中盤には、2番手にプレマ・オーレン・チームの9号車が浮上してくるが、終盤に入った5時間20分過ぎには、ユナイテッド23号車のオリバー・ジャービスが9号車ロバート・クビサをパスし、2番手を奪い返すことに。

 5時間40分過ぎ、首位を走るWRT31号車のレネ・ラストが、ターン8への進入で周回遅れインターユーロポル・コンペティション34号車のアレックス・ブランドルと軽く接触。ブランドルはスピンを喫したが、この接触では34号車にペナルティが科せられている。

 6時間経過を前に、3番手には9号車をパスしたユナイテッド22号車が浮上してくる。さらにプレマ9号車のロレンツォ・コロンボにはJOTA38号車のウィル・スティーブンスが襲いかかり、4番手にポジションアップ。

 この時点でJOTA38号車はタイトル獲得の”安全圏内”にいたが、スティーブンスは力を緩めることなくユナイテッド22号車も攻め立て3番手を奪うが、その後ポジションを下げる。

 終盤、チャージをかけてきたのはリアルチーム・バイ・WRTの41号車で、残り50分を切って3番手へと浮上。

 残り30分を切って各車は順次最後のピットへ。ここで2番手に浮上したプレマ9号車にスプラッシュが必要かどうかに注目が集まったが、残り6分を切ってからピットへ向かう。

 これで順位が確定、チームWRTの31号車(ショーン・ゲラエル・/ロビン・フラインス/レネ・ラスト)が優勝、ユナイテッド23号車が2位、そして3位に入ったJOTA38号車のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/ロベルト・ゴンザレス/スティーブンスがLMP2のタイトルを手にしている。

WEC第6戦のLMP2クラスを制したチームWRTのオレカ07・ギブソン
WEC第6戦のLMP2クラスを制したチームWRTのオレカ07・ギブソン

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