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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.01.30 13:30
更新日: 2023.02.01 13:51

これぞデイトナ。最終ラップ0.016秒差の逆転劇に「息を殺した」と勝者アレン/IMSA開幕戦

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ル・マン/WEC | これぞデイトナ。最終ラップ0.016秒差の逆転劇に「息を殺した」と勝者アレン/IMSA開幕戦

 プロトン・コンペティションのドライバーであるジェームス・アレンは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦『デイトナ24時間レース』のLMP2クラスでベン・ハンリー駆る04号車オレカ07・ギブソン(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)を破る“ハナ差”のフォトフィニッシュを決めた際、終始息を殺していたと語った。

 プロトンの55号車オレカ07・ギブソンを、フレッド・プアダッド、フランチェスコ・ピツィ、ジャンマリア・ブルーニとシェアしたアレンは、LMP2初参戦のドイツチームに激戦の末、プロトタイプカテゴリーでの初優勝をもたらした。

 ハンリーがドライブする04号車オレカとプロトンの55号車オレカのギャップは、24時間レースのチェッカーフラッグが振られたフィニッシュラインでわずか0.016秒で、アレンがハンリーのスリップストリームから抜け出した直後、このわずかの差で後者が逆転し勝利を奪った。

 チェッカーまで残り4周の時点では88号車オレカ07・ギブソン(AFコルセ)の後方、クラス3番手を走っていたアレン。彼は最後の力を振り絞るまでこのレースで優勝する可能性は低いと考えていたという。

「正直なところ、僕たちにあまり勝算はないと思っていた」とアレンは語った。

「AFコルセのマシンの後ろにずっといて、クラウドストライクのマシンがどんどん離れていくのが見えた。だから、AFコルセのマシンを抜いたときには、かなり距離があったんだ」

「正直に言って追いつけるとは思っていなかったけど、徐々にギャップが縮まりラスト2周からスタート/フィニッシュラインに向けていい走りができていることが分かった」

 オーストラリアのドライバーは、ファイナルラップの開始時にターン1に入るリーダー対して最初の仕掛けを行い、ハンリーがコーナー出口で彼をワイドに走らせるためだけに外側を回るオーバーテイクの動きを試みた。

 アレンはその時点で、すでに自分がラップの後半で主導権を握る別の機会があることを感じていたという。

“ハナ差”の逆転でLMP2クラスウイナーとなった55号車オレカ07(プロトン・コンペティション)のドライバーたち。左からフレッド・プアダッド、ジェームス・アレン、ジャンマリア・ブルーニ、フランチェスコ・ピツィ
“ハナ差”の逆転でLMP2クラスウイナーとなった55号車オレカ07(プロトン・コンペティション)のドライバーたち。左からフレッド・プアダッド、ジェームス・アレン、ジャンマリア・ブルーニ、フランチェスコ・ピツィ

「(ファイナルラップに入る直前の)スタート/フィニッシュラインの手前で彼の前に出たので、無理をしてリスクを冒す必要はないと思ったんだ」とアレン。

「それでも『僕はちゃんとできただろうか? 充分な時間はあるか? 出口は良かったか?』と考えながらバス・ストップ(ル・マン・シケイン)を出た」

「幸運にも僕はそうして彼に並びかけて前に出たんだ。スピードウェイ4(オーバル部の第4コーナー)からスタートライン(があるバンク)に上がるとき、僕は息をしていなかったと思う」

「とてもクレイジーな瞬間だった。あんなことは初めてだし、おそらくこれからもないだろう。本当に素晴らしい気分だったよ」

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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