フォードパフォーマンス・グローバルモータースポーツ・ディレクターのマーク・ラッシュブルックによると、フォード・マスタングGT3のトラックテストが今月開始される予定であるという。また、2024年から部分的なグローバル展開の計画があることが確認された。
2022年9月の新世代マスタング・プラットフォームのデジタルローンチで初めて明らかにされたマルチマチック製GT3カーの開発はここ数カ月続いており、最初のシャシーの製作は完成に近づいているとみられている。
先週末、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイでSportscar365のインタビューに応じたラッシュブルックは、マルチマチック・モータースポーツが実施する最初のテスト計画について概要を説明した。
「ホモロゲーションの前にプログラム全体をテストする」と彼は言った。
「クルマを2台用意して北米とヨーロッパでテストを行う予定だ」
「(マルチマチックは)イギリスに大きな足跡を残しており、そこにはワークショップもある」
ラッシュブルックは、フォードがこのクルマの発売年に北米とヨーロッパ市場のみに焦点を当てることを示唆し、「グローバル」であるが「最初は完全なグローバルではない」と述べた。
「ワークスカーをIMSA(GTDプロクラス)に導入することを優先させる」とラッシュブルック。「しかし、私たちはそれだけをしたいわけではない。北米向けのカスタマーカーを用意するが、初年度はヨーロッパにも顧客用のクルマを用意する」
WEC世界耐久選手権の新カテゴリーであるLMGT3にカスタマーカーを投入することも、2024年には「絶対に」優先されるだろうと彼は語った。
「GT4もGT3も、これらのクルマがレースをするすべての場所を考えたとき、私たちにとって、そのすべての場所にいることが重要だ」
「我々はIMSAのファクトリープログラムをやるために、このプログラムをやっているわけではない。また、WECやル・マンに行くためだけにプログラムをやっているわけでもない」
「それらは私たちにとって重要だが、GTの“コンバージェンス(収束、収斂の意)”はIMSAやWEC、ル・マンで同じクルマを走らせることができる安定性が魅力なんだ」
「ステファン・ラテルと彼のチームがSROで成し遂げたように、世界各地に素晴らしいGT3シリーズがある。世界でもっとも売れているグローバルスポーツカーであるマスタングで、世界中のレースに参加することができる」
「それは我々にとって重要なことであり、以前はGTでそれができなかった。このマスタングではそれが可能なんだ」