新時代迎えるWECの公式テスト開幕。トヨタとキャデラックが初日トップを分け合う【タイム結果】

　フェラーリ、ポルシェ、キャデラックら、トップカテゴリーに新たな参戦メーカーを迎えた2023年のWEC世界耐久選手権。その開幕前週に設定された公式テスト『プロローグ』が3月11日（土）、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで始まった。

　初日には3時間の走行枠が2回設けられ、午前のセッション1ではトヨタGAZOO Racing7号車GR010ハイブリッドのホセ・マリア・ロペスが、午後のセッション2ではキャデラック・レーシング2号車キャデラックVシリーズ.Rを駆るアール・バンバーが、それぞれトップタイムをマークしている。

■総合2番手タイムはトヨタ平川亮。プジョーにアクシデント

　午前8時45分に始まった最初のセッションでは、序盤に赤旗、そして終盤にはセーフティカーが導入されたが、これはWECにより企図されたシミュレーションであり、実際にアクシデントが起こったわけではなかった。

　セッション序盤にトップタイムを記録したのはトヨタ8号車のブレンドン・ハートレーだった。しかし、セッション中盤のアタックでロペスがこれを2周連続で更新すると、最終的には1分48秒208というセッショントップタイムを記録。

　そのおよそ10分後には平川亮のドライブにより8号車も1分48秒293と肉薄するが、7号車のベストタイムは上回れなかった。

　このセッション3番手はキャデラック2号車。4番手にはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963、5番手にはフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499Pが続き、新登場の3車種がトヨタ2台に続く形となった。

　昨年途中からシリーズにデビューしたプジョー9X8は、2台とも新規参戦3車種の後塵を拝しており、ハイブリッド非搭載のグリッケンハウス007 LMH、ヴァンウォール・バンダーベル680は首位トヨタから大きく引き離されてのデビューとなった。

　全車がオレカ07・ギブソンのパッケージで争うLMP2クラスではユナイテッド・オートスポーツ22号車がプジョーに迫るタイムでクラス首位。LMGTEアマクラスはアイアン・デイムス85号車ポルシェ911 RSR-19がセッション最速となった。

　13時30分からのセッション2も序盤にまずはトヨタ7号車の小林可夢偉が最速タイムをセットするが、これを破ったのは午前のセッション3番手だったキャデラック2号車だった。セッション開始30分を前にバンバーは1分48秒492をマーク。直後にトヨタ8号車のセバスチャン・ブエミが1分48秒443と迫るが、結局セッショントップはバンバーのものとなった。

　セッション2のリザルトではキャデラックにトヨタ2台、フェラーリ2台、ポルシェ2台が続く形となっている。初日の2セッションを通じ、1分48秒台を記録しているのはトヨタ2台とキャデラックのみだ。

　このセッションでは開始1時間が過ぎたところで、93号車プジョー9X8をドライブするジャン・エリック・ベルニュがベクター・スポーツの10号車オレカとホームストレートで接触。これにより赤旗が提示され、ボディにダメージを受けた93号車はここで走行終了となった。

　LMP2のセッショントップは午前に引き続きユナイテッド22号車となり、プレマ・レーシング63号車、チームWRT41号車が続いた。

　LMGTEアマも引き続きアイアン・デイムスが首位となった。日本の木村武史も加わるケッセル・レーシング57号車フェラーリは午前10番手、午後5番手。星野敏と藤井誠暢がドライブするDステーション・レーシングの777号車は午前・午後ともにクラス最下位で初日のセッションを終えている。

　テスト2日目の12日は、午前9時（日本時間22時）から3時間半のセッション3でスタートする。なおアメリカでは12日から夏時間が採用されるため、フロリダと日本の時差は14時間から13時間へと変更される。

■2023年WECプロローグテスト　タイム結果／3月11日午前（セッション1）

■2023年WECプロローグテスト　タイム結果／3月11日午後（セッション2）

※リザルトは編集部集計