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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.03.22 10:22

ポルシェ963は苦しい初陣。劣勢のダブルスティント、ステアリングと無線にトラブルも/WECセブリング

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ル・マン/WEC | ポルシェ963は苦しい初陣。劣勢のダブルスティント、ステアリングと無線にトラブルも/WECセブリング

 3月17日に行われた2023年WEC世界耐久選手権第1戦セブリング1000マイルレースを、トップから4周おくれの5位と6位で終えたポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの2台のポルシェ963。ドライバーのミカエル・クリステンセンによれば、ポルシェ963は「いくつかの課題を抱えている」という。

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた予選で、ポールポジションを獲得したフェラーリから2秒離されたポルシェ963は、レースでは当初表彰台を狙える位置にいたものの、トヨタ2台、フェラーリ499P、キャデラックVシリーズ.Rに次ぐ順位で、8時間のデビュー戦を終えた。

 デイン・キャメロン、フレデリック・マコウィッキとともに5号車ポルシェ963をドライブしたクリステンセンは、タイヤマネジメントの面で試された、と語っている。

「序盤、ケビン(・エストーレ/6号車)がフェラーリやキャデラックと戦っていたときは、いい感じのように見えた」とクリステンセン。

「ただ、キャデラックに対して1秒を失っていることを知ったとき、1秒スローダウンしてタイヤをセーブすれば、かなり生き残れそうだということが分かった」

「予選のペースよりは少しは(相対的に)良くなるんじゃないかとちょっと期待はしていたけど、半信半疑だったんだ」

「クルマには、いくつかの課題がある。この週末を迎える前からはそれは分かっていたけど、改善しようと努力した結果、バランスは少し良くなった」

「だが、僕らには解決しなければならないことがある」

 タイヤの摩耗についてさらに踏み込むと、ダブルスティント(同じタイヤで2スティント連続で走ること)でポルシェが「手こずった」と口にした。

「タイヤが新しいうちは耐えられるし、生き延びられると思う。でも、すぐに大きく動くようになってしまう」

「そうなったときに、『これでどうやってダブル(スティント)をやるっていうんだ?』と思うんだ。でも、それであまりペースを落とさずにダブルをするのは、とても厳しかった。すごい大変だったよ」

 タイヤライフに関する苦労は別にすると、2台のペンスキー・ポルシェは4時間にわたってトラブルなく走行したが、クリステンセンの5号車はレース折り返しを前に2分近いピットストップを強いられた。

 その結果、6号車が表彰台を狙える可能性が高くなったが、6号車も最終盤に電気系統のトラブルで2分30秒ほどのピット作業を行っている。

「ステアリングホイールに問題があり、無線も機能しなかったんだ」とクリステンセンは5号車の状況について説明する。

「チームはステアリングを交換した。シフトランプも何も見えなかったんだ。それは、キャメロンが運転しているときに起きた。彼はシフトのビープ音とエンジニアの声しか聞くことができなかったけど、それでもかなりラッキーだった」

「6号車にはECUの問題が出始めて、作業を行った。彼らは僕らよりダブルで少し速かったと思うけど、それほど大きな差じゃない」

ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの5号車ポルシェ963

 ポルシェ・モータースポーツ副社長のトーマス・ローデンバッハは、レース後、ペンスキー・ファクトリー陣営は、今後のWECレースでトヨタ、フェラーリ、キャデラックなどに近づくために「組織的かつ集中的に」取り組むと述べた。

「チーム全体とドライバーたちは、最後の最後まで全力を尽くして戦ってくれた」とローデンバッハは述べている。

「我々のWECにおける新チームは、大きなリスペクトを受けるに値する。我々は現在持っているものでできる限りのことをし、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ戦と比較して、大きな進歩を遂げた」

「2台のポルシェ963の信頼性は今週末も問題にはならなかった。だが、多くの領域でまだ追いつくことが必要であることは明らかだった」

「ライバルと比べると、我々はパフォーマンスが不足している。今後数週間、組織的かつ集中的に取り組んでいかなければならない」

6号車ポルシェ963をドライブするアンドレ・ロッテラー。右はポルシェLMDhファクトリー・ディレクターのウルス・クラトレ
6号車ポルシェ963をドライブするアンドレ・ロッテラー。右はポルシェLMDhファクトリー・ディレクターのウルス・クラトレ
5号車ポルシェ963をドライブするミカエル・クリステンセン
5号車ポルシェ963をドライブするミカエル・クリステンセン


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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