更新日: 2023.09.11 01:08
主導権奪還で地元ラウンド完全制覇。小林可夢偉の7号車完勝でトヨタが1-2達成【WEC第6戦富士決勝レポート】
チャンピオンシップの天王山、2023年も終盤2戦に向け日本上陸を果たしたWEC世界耐久選手権第6戦『6 HOURS OF FUJI 2023』の決勝が富士スピードウェイで開催され、前半戦でポルシェに支配されたレースの主導権を奪い返したTOYOTA GAZOO Racingが地元戦でワン・ツー・フィニッシュを達成。ポール発進を決めた7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が、最後は可夢偉のドライブでトップチェッカーを受け、今季4勝目を飾る結果に。
総合2位に8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)、同3位に6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が並ぶ表彰台となった。
一方、週末のライバルと目されたフェラーリ・AFコルセ陣営のフェラーリ499Pは、週末初の“残暑ドライ”に翻弄される格好となり、アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン組の50号車、アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ組51号車の順で4位、5位のトップ5フィニッシュを果たしている。
午前11時を前にスタートが切られた決勝は、オープニングラップのターン1からスプリントばりの攻防となり、ハイパーカー各車がブレーキング勝負でオーバーシュートし、大半がアウト側ランオフに追いやられる接触バトルの様相を呈すると、その後はここで抜け出した6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が主導権を握る展開に。
ハードタイヤでスタートして以降、ルーティンでは左右ミックスコンパウンドも試しているフェラーリ・AFコルセ陣営は中盤以降なかなかペースが上げられず。首位以外のポルシェ陣営も接触ペナルティ(38号車)や些細なトラブル(99号車)で勝負権を失うなど、思いどおりのレース運びができない状況に。
そんななか、序盤のミックスチョイスから一転。セカンドスティントでは4輪ミディアムを履いたGR010ハイブリッドの2台は、7号車のロペス、8号車平川がそれぞれ快走を見せ、3時間の折り返しを過ぎて首位6号車ケビン・エストーレの背後に迫る。
ときに100Rをインカットしながら必死の逃げを打つ6号車ポルシェ963に対し、約1時間近くも重圧を掛け続けた2台は、スティント最終盤を前に7号車ロペスの挙動が乱れがちになり、ダンロップコーナーで8号車平川が先行する。
これで前を追う態勢を整えたと思うやいなや、平川は同じくダンロップ飛び込みでそのままエストーレのインを刺し切り、トラック上でのオーバーテイクを決めていく。