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投稿日: 2017.04.23 08:00
更新日: 2017.04.23 08:19

トムスを追い上げるライバル勢。SF予選の勢力図変化と2年目のヨコハマタイヤ

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スーパーフォーミュラ | トムスを追い上げるライバル勢。SF予選の勢力図変化と2年目のヨコハマタイヤ

 VANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴が前評判どおりポールポジションを奪ったが、2番手に昨年チャンピオンの国本雄資(P.MU / CERUMO · INGING)、3番手に山本尚貴(TEAM MUGEN)と3チームの役者が揃ったスーパーフォーミュラ開幕戦の鈴鹿予選。タイム差も上位3台はコンマ1秒以内で、トムス1強の勢力図に変化が見え始めている。

 ポールを獲得した一貴の1分35秒907は昨年の鈴鹿の予選ポールタイム、1分37秒459(TEAM MUGENの山本尚貴が獲得)から、1秒5も速いレコードタイムだ。昨年から、サーキットのどの部分でタイムアップを果たしているのか。

「もちろんエンジンも良くなっているけど、タイヤの要素がいちばん大きい」と話すのは中嶋一貴車担当の小枝正樹エンジニア。「グリップの限界域でのコントロール性が上がったので、どことは言わず、全体的にタイムが上がっている」と続ける。

このオフのトムスのこれまでの好調ぶりについては「昨年の最終戦が終わって、オフのテストからセットアップの方向性を変えて、そこで2年目のヨコハマタイヤのセットアップがマッチした。今年のタイヤは粘る。ヨコハマさんの狙いどおりグリップがワイドになって、そこに対してウチがもともと持っているベースのセットがいい方向に行っているのだと思います」と話す小枝エンジニア。

 予選日も3月の公式テストのセットアップをベースに、コンディションに合わせて進めただけでポール獲得&レコードタイム更新を果たしたという。

 アップデートされた2年目のヨコハマタイヤの特性変化にどう合わせるか。そこが現在のドライバ−、チームの大きなテーマになっている。
新コンセプトとなったヨコハマタイヤにいかにセットアップを合わせ込めるか。各ドライバー、チームはこのオフ、その作業に没頭した。

 今年のタイヤの進化については、ヨコハマの秋山一郎開発本部長が共同会見で説明する。

「コンパウンドは昨年と同じミディアムです。今年のタイヤの狙いは、スリップアングルが付いた時のコーナリングフォースの落ち込みをなくしてフロントのグリップ、リニアリティ(直線性)を上げるというのと、特にリヤタイヤが課題だと思っていまして、限界付近でグリップが途切れるような唐突さがあるとドライバーから指摘を受けていましたので、そのあたりの改良を加えました。ベンチテストの数値を見る限りでは、狙いどおりのタイヤになったのかなと考えています」

 実際には、構造を変更してタイヤの動き方を変えることで特性を変化。ドライバーからは「いままでより動くようになった」との声が聞こえ、限界域でのコントロール性が改善されたという。

■セルモ、無限、ライバル陣営の猛追


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