投稿日: 2024.12.12 19:17
更新日: 2024.12.12 19:23

SF初走行の小山美姫、感謝と悔しさに涙止まらず「応援してくれる皆さんの前で走れて良かった」「レースに出たい」


スーパーフォーミュラ | SF初走行の小山美姫、感謝と悔しさに涙止まらず「応援してくれる皆さんの前で走れて良かった」「レースに出たい」

 三重県の鈴鹿サーキットで行われている2024全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式/ルーキーテスト2日目。この日はレギュラー参戦していないドライバーやルーキーの参加も増え始めていたが、その中で念願のスーパーフォーミュラを初ドライブする機会を得たのが小山美姫だ。セッション後のメディアミックスゾーンでは涙も見せた小山に、初走行の感想を聞いた。

■シートに座った瞬間に集中モードに変わった

 当初はルーキードライバー限定の3日目に乗る予定だった小山だが、急きょ予定が変更となり2日目のセッションでKids com Team KCMGの8号車を担当することに。

 午前のセッション3前に一度マシンに乗り込んでステアリングのスイッチ類を再確認。セッション開始直後に赤旗が出たため、ピットで準備を進め、再開後の10時13分にコースインした。

「テスト初日からピットビューイングなどでファンの方がたくさん声をかけてくれたので、乗る前の段階では感慨深かったというか『ついにこのマシンに乗り込める時が来たんだ!』という感謝と嬉しい気持ちがありました。(セッション前に)マシンに乗る時もフォトグラファーの皆さんがいてビックリして……あんなに囲まれたことがないので、逆に緊張しましたね(苦笑)」と小山。

「でも、シートに座ったら『テストが始まった!』という感じで、集中モードに入っていました」と、ピットアウトの瞬間は感傷に浸ることなく、走行のことに集中していたという。

 改めて、SF23に初めて乗った感想を聞くと「速いですね」と小山。「正直、アクセルを踏んだ瞬間に『パワーがあるな』と思いましたけど、フォーミュラEに乗らせてもらって、パワーがあるクルマに対しての感覚がありました」。

「あとは、ちょっと速度を上げるだけで発生するダウンフォースが……今までにないものでした。それも(実際に)乗ってみて分かることでした。S字でも吸い付く感じがあって『ダウンフォースってこれなんだ』と思いました」

 午前中のセッションでは一番最後にニュータイヤを装着する予定だったが、ジェームス・ヘドリーがコースオフを喫して赤旗が出され、そのままセッション終了となったため、ニュータイヤでのアタックは午後へ持ち越しに。午前はベストタイムはユーズドタイヤで記録した1分39秒867だった。

 午前のセッション終了後に話を聞くと「まだ自分の運転についても詰めていっている最中で、午前中はニュータイヤを1セットも履いていないです。午後はもうちょっといけるかなと思っています」と小山。

「クルマも良いですし、チームの皆さんも凄く良くしてもらっています」と、午後のセッションに向けて自信をみせていた。

小山美姫(Kids com Team KCMG)
2024スーパーフォーミュラ公式テスト/ルーキーテスト 小山美姫(Kids com Team KCMG)

 気になる午後のセッション4では、午前の赤旗終了で使えなかった分も含めてニュータイヤが3セット残っている状況。アタックラップでは徐々にタイムを上げていき、残り30分のところで1分38秒996をマークした。

 そしてニュータイヤを装着した最後のアタックでは全セクターで自己ベストタイムを更新し、1分38秒078を叩き出した。

 惜しくも1分37秒台には届かなかったが、トップから2.481秒差で今季FIA F2でレースをしたファン・マヌエル・コレアとは0.015秒差という結果を出した。

 参考までに記しておくと、女性ドライバーのJujuは、昨年のこのテストで6セッション走行し、4セッション目で記録した1分38秒539がベストタイムだった。

■次のページへ:乗る前の覚悟と、テスト後の心境の変化。流れ落ちた涙


関連のニュース