Tomohiro Yoshita

 2025年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権には5人のルーキードライバーが参戦するが、その中で高星明誠(ITOCHU ENEX WE CARS IMPUL)、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WE CARS IMPUL)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が2月10日に都内で行われたプレスカンファレンスに出席した。

 高星はスポット参戦の経験はあるが、ラスムッセンとフラガに関しては日本のトップフォーミュラ初参戦となる。彼らにとってあらたな挑戦となるシーズンに向けての心境と現時点で心がけている“備え”について聞いた。

■2カテゴリー参戦も日本には住まないラスムッセン

 2024年はWEC世界耐久選手権に参戦していたラスムッセン。今年はスーパーフォーミュラに加えて、スーパーGTのGT300クラスにも参戦する。

「僕にとっては2025年シーズンは最高な年になりそうだ。GT300とスーパーフォーミュラのフル参戦が決まって、日本でレースをすることになる。今までとは違うステップになると思うから、とてもエキサイティングな気分だ」と満面の笑みで答えるラスムッセン。

 2カテゴリーの参戦となるが、現状では基本的にはヨーロッパを拠点にして、レースの度に来日するとのこと。「テストとかレースが重なっている時は長期滞在する予定」だという。

 これまではテストでスーパーフォーミュラのマシンを走らせることとなったが、今度はレギュラーとして各サーキットを転戦していくことになる。もちろん、結果も求められてくるが、そのために必要なことについて聞くと、ラスムッセンはこう答えた。

「何よりも今重要なのは“知識”だと思っている。それは経験することもそうだし、クルマに対する知識、タイヤ、コースに対する知識も必要になる。僕にとっては新しいチャンピオンシップに挑戦することになるし、僕にとってはシングルシーターに復帰することになるから、いろいろな知識や経験をいち早く自分の中に取り込んでいかないといけないと思う」

「とにかく全力で取り組まないと、スーパーフォーミュラを何年も経験しているドライバーたちをキャッチアップすることができないから、頑張らないといけない」

 海外から初めて日本にやってくるドライバーにとって、ハードルのひとつとなるのが日本のサーキットを覚えることだが、その点に関しては「今年GT300にも参戦できるというのは僕にとっては良い機会になる」とラスムッセン。

「僕にとっては(GT300も)新しいカテゴリーで、使うタイヤもスピード域も違うけど、同じコースでレースができるという部分ではスーパーフォーミュラに対してプラスになると思う。いずれにしても、現段階ではどのポジションに位置しているのか分からないから、具体的なターゲットについて話すことはできないけど、とにかく全力で頑張る」と語った。

オリバー・ラスムッセン
オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WE CARS IMPUL

■フラガ「両方の世界に良い影響を」

 こちらもスーパーフォーミュラ初参戦を果たすフラガ。数年前からスーパーフォーミュラへのステップアップを目指して挑戦を続けてきたドライバーのひとりだ。

「トップフォーミュラのカテゴリーは小さい頃から夢見てきました。世界でいうとF1だし、アメリカだとインディカー、アジアだとスーパーフォーミュラです。その中で僕は途中まではFIA F3に参戦したことがありましたけど、コロナの影響でレースができない時期があって、日本に来ました」とフラガは言う。

「そこから『(目指すは)スーパーフォーミュラしかない!』という想いで、SFライツやスーパーGTもやってきましたけど、ようやくスタート地点に立てることができたので、すごく嬉しく思っています」と、念願のフル参戦が決まって感慨深い様子ではあるが「ただ、まだまだこれからなので、一生懸命がんばってこのチャンスを活かしたいです」と、冷静に語っていた。

 フラガは2023年シーズンから活動の場を日本に移し、この年はスーパーフォーミュラ・ライツとスーパーGT(GT300)に参戦。スーパーGTに関しては継続してレギュラーとして活躍しているが、フォーミュラカーに関しては1シーズンのブランクがある状況だ。

 さらに今年のスーパーフォーミュラは1イベント2レース開催の大会が増えるということもあり、身体への負担も今まで以上になることは想像に難くない。

「昨年の後半から自分で身体づくりはやってきましたけど、今年は2レース制も増えるというところで、ここからどうやっていくかは検討中です。やはり身体が万全でないとパフォーマンスをしっかり出せないと思うので、その辺はしっかりやりたいなと思います」と、トップフォーミュラ挑戦1年目に向けた準備を着々と進めている様子だ。

 また、フラガはグランツーリスモ世界チャンピオンの実績も持っており、プレスカンファレンス前には会場となったポリフォニー・デジタル東京スタジオ内に設置されているグランツーリスモ7を使ってデモンストレーションも披露していた。

「両方の世界に対して良い影響を与えることができると思います。そこもうまく取り組んでいくことで、スーパーフォーミュラのファンをどんどん増やしていきたいです」とフラガ。彼にとってはさまざまな期待が寄せられるシーズンとなりそうだ。

イゴール・オオムラ・フラガ
イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
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