2月17日、翌日からの公式テスト走行開始を控えた三重県の鈴鹿サーキットでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権の『メディアデー』が行われた。これは2025シーズンに参戦するドライバー、監督、エンジニアが、チームごとに会場に登場、メディアからの取材に応えるもの。

 この取材セッションをもとにした各チームの開幕前プレビュー企画は、後日オートスポーツwebにて掲載の予定。今回の記事ではあえて、抱負やシーズン展望以外の部分の“脇道トーク”を中心に、注目の発言のいくつかをお届けする。

■“ぶっちぎりの最下位”脱出へ。秘策はイケメン

 今季も三宅淳詞の1台体制で参戦するThreeBond Racingの取材セッションでは、TEAM MUGENから移籍加入した一瀬俊浩エンジニアに質問が集中したが、その一方で昨年までアドバイザーを務め、今季からは監督に就任した塚越広大には、「目指す監督像」について質問が。すると塚越は、ふたりの師匠の名前を挙げた。

「僕の中では“監督”というと、田中弘監督がまず出てきます。そして金石勝智監督ですね。そのふたりから教えていただいたことを、僕もしっかりと結果につなげたいと思います。スタイルは少し違うと思いますが、勝つため、速く走るための情熱だったりというのは、ドライバーとして感じている部分が多いので、それを淳詞に伝えていきたいと思います」

 そしてもうひとつ、塚越新監督が痛切に感じているチーム課題にも話が及ぶ。

「サーキット上でのパフォーマンスももちろんなんですが、残念ながらSFgo(公式アプリ)の人気ランキングでもぶっちぎりの最下位だったので、ちょっとそれもまずいなと思っていて。もちろん結果が残ればファンもつくと思うのですが、チームとしての魅力ももっとあげていかないと」

 これを受けた三宅は、「やっぱりイケメンになってモテることが大事かなと思うので、イケメンになれるように頑張ります」と“コース外”での課題に向き合っていた。

塚越広大監督と三宅淳詞(ThreeBond Racing)
今季から監督を務める塚越広大と、三宅淳詞(ThreeBond Racing)

■関西キャラは飽和状態?

 ルーキーとしてSan-Ei Gen with B-Maxから参戦する小出峻の質疑応答でも、コース上のパフォーマンスから離れた“キャラクター”の売り出し方が話題となった。

「関西弁のキャラって、めちゃくちゃ多いんですよね。スーパーフォーミュラでも大阪出身の人が結構多いじゃないですか。関西弁を全面に押し出すキャラは被ってしまう感じがあるので、まだどういうキャラでいくかのビジョンができていないんですけど……どういうのがいいと思います?」

 するとここで間髪を入れずに本山哲監督が「とりあえず開幕戦では髪型とかいろいろ、すべて変えて行きます」と断言。

 先述のとおり三宅が“イケメン”を目指すことを伝えられた小出は、「僕、そういうキャラじゃないので……」と戸惑いの表情を浮かべる。

「ちょっと何か面白いキャラでいたいですけどね。いじられキャラとかでいいかもしれません」

 カート時代、そして鈴鹿サーキットのスクール時代の最大のライバルだった岩佐歩夢(TEAM MUGEN)とついに同じ土俵で戦えることをとても楽しみにしていると口にした小出。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙う2025年は、コースの内、外ともに注目のシーズンとなりそうだ。

本山哲監督と小出峻(San-Ei Gen with B-Max)
本山哲監督と、ルーキーとして参戦する小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

■過酷なトレーニングで追い込んだ牧野任祐

 不変の体制で2025シーズンに臨むDOCOMO TEAM DANDELION RACINGでは、昨年スーパーGT、SFの両カテゴリーで好成績を収めた牧野任祐のシーズンオフの過ごし方に話が及んだ。

 キャリアハイに近いリザルトで終えながらも、「このままでも何も変わらないな」という思いがあったという牧野は、フィジカルの強化に取り組んだという。トリガーとなったのは、GTでコンビを組む山本尚貴だった。

「そんなタイミングで尚貴さんがSFを引退したので、尚貴さんにお願いして、森永(製菓)さんの施設で一緒にトレーニングさせてもらって。それで成績が出るとかは正直思わないのですが、しっかりを準備はしてきました」

 トレーニングの具体的な内容について問われると、牧野は「僕はドライバーのなかではそこそこ身長もある方ですし、必然的に体重もある。GTとかだと軽い方が有利」とスーパーGTまでを見据えた体重管理について言及。現段階で、6kgの減量に成功しているという。

「自分がチャンピオンを獲りたいと思ったとき、すごく身近にチャンピオン獲ってる人がいたので。そこでお願いして、いま同じようなメニューでやらせてもらっていますが、本当についていくのも大変なくらいのメニューです。それが何かちょっとでも、いい形になったらいいなと思います。いつも死にそうになりながらついていっています」

牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2025スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

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