昨年のスーパーフォーミュラ第4戦ツインリンクもてぎでは、シリーズとして初めて2スペックタイヤが導入されたが、今年の第4戦もてぎでも新しいソフトタイヤを開発し、2スペック目として導入することをJRP(日本レースプロモーション)が発表した。
スーパーフォーミュラ第3戦富士のサタデーミーティングにて、JRPの倉下明社長と、横浜ゴム開発本部の渡辺晋プランニングジェネラルマネージャーが明らかにした。
昨年と異なるのは、ソフトタイヤの開発コンセプトだ。
「今年のソフトタイヤは、1レースもたない仕様を目指しています」と横浜ゴムの渡辺氏が発言したところで、メディアからは小さな歓声が上がった。現在のミディアムタイヤはタイヤのタレや摩耗が少なく、レース中のタイヤ交換が必要ない場合がほとんどで、オーバーテイクが少ない要因のひとつにもなっている。
「SUGOでテストした時のライフは150km程度でしたので、もてぎでは負荷が小さいのでもう少し距離は伸びると思います。SUGOでは現在のミディアムタイヤより、コンマ5秒〜コンマ8秒速いタイムで周回しました」
「ソフトタイヤの構造は現在のミディアムと同じで、ライフはタレではなく、摩耗でコントロールする方向で開発しています。SUGOでテストしたソフトタイヤをベースにアジャストして、(今回の富士戦後の)7月のオートポリスのテストで最終確認して量産に入るスケジュールです」と渡辺氏。昨年は1レースで2セットのみだったソフトタイヤの持ち込みは、今年は3セットで検討しているなど、詳細はこの富士戦中にもチーム側と話し合われるという。
昨年はビジュアル面でもヨコハマ陣営としてはデカールのビジュアルに不満があり、今年は「サイドウォールのADVANのロゴを小さくして、2種類のタイヤの違いをはっきり視認できるようにします。そしてオンボード上でもタイヤの内側に赤いラインを入れて違いがわかるように開発します」と、並々ならぬ覚悟で開発に臨んでいることをうかがわせた。