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投稿日: 2017.08.22 11:02
更新日: 2017.08.23 13:43

シーズン前半の苦闘から一転、チャンス射抜いたガスリー。「いいタイミングで勝てた」

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スーパーフォーミュラ | シーズン前半の苦闘から一転、チャンス射抜いたガスリー。「いいタイミングで勝てた」

 変転する気象状況と今季初のドライタイヤ2スペック制とが絡み合い、皆にとって未知の要素が急増したスーパーフォーミュラもてぎ戦。そこで初優勝を果たしたのは、今季最注目新人のピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)だった。シーズン前半の苦闘から一転、F1候補生でもある大器はホンダのパフォーマンスアップと幸運も味方に、チャンスを確実に射抜いてみせた。

 ガスリーのもてぎ戦は、金曜日専有走行でのコースアウトから始まった。ブレーキトラブルがあったらしく、「僕はパッセンジャーのような状況で、どうにもできなかった」とガスリー。

ガスリーのスーパーフォーミュラもてぎ戦はクラッシュで始まる波乱の幕開け
ガスリーのスーパーフォーミュラもてぎ戦はクラッシュで始まる波乱の幕開け

 他の選手たちが20周前後するなか、ガスリーは初コースで4周しかできずにこのセッションを終える。ここまではシーズン前半の苦闘の延長のように思われた。

 しかし、結果から言ってしまえば、未知との戦いの度合いが増した今回のレースの表彰台を、ガスリー、小林可夢偉(KCMG)、フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)といった、海外キャリア中心の選手が占めたのはどこか象徴的だ。

 タイヤに関する充分なデータがなくとも、考えられる範囲で考えて、あとはとにかくいってみる。少し荒っぽい言い方にはなるが、そういうシンプルな野太さが活きるレースウイークだったとはいえるだろう。

「(専有走行のことは)悩んでいてもしかたがないので、気持ちを入れかえて土曜日に臨んだ。初コースだけど、もてぎは自分に相性のいいコースだとも感じていたからね」

決勝レース、ガスリーはミディアムタイヤでのスタートを選択した
決勝レース、ガスリーはミディアムタイヤでのスタートを選択した

 2日がかりになった予選を5番手~4番手~4番手(Q1~Q3)で終えたガスリーは、今季最上位の4番グリッドから決勝に臨む。スタートタイヤをソフトにするかミディアムにするかの判断はほぼ五分五分に分かれることとなるが、予選トップ3がソフトを選んだのに対し、ガスリーはミディアムを選択。

 しかし、これは“上の3人とは逆を行って、展開を突こう”という狙いによるものではなかった。

「また雨になる可能性もなくはなかったけど、朝の予選(Q2~Q3)が終わった後、僕は決勝が(ずっと)ドライコンディションなら絶対にミディアムスタートだと思った」

「グリッドの周りにはソフトもミディアムもいたけれど、僕は確実にミディアムでのスタートがいいと思っていたんだ。ミディアムの方が気持ち良く走れていたからね」

 もちろんチーム内で綿密な議論はあっただろうが、結果として、理論上の最速ストラテジーうんぬんやライバルの動向に左右されることなく、「ソフトのデグラデーションも分からないから」というなかで自分のフィーリングから得た結論を“決め打ち”できるところに、ある意味では日本ほど緻密ではない(だろう)欧州レース界育ちの強さが感じられる。


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