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投稿日: 2018.10.27 18:25
更新日: 2018.10.27 18:35

逆転王座獲得に向けてZONEに入りつつある山本。圧巻の予選PPを支えた鈴鹿での『絶対感覚』

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スーパーフォーミュラ | 逆転王座獲得に向けてZONEに入りつつある山本。圧巻の予選PPを支えた鈴鹿での『絶対感覚』

 実質、3人によるチャンピオン争いのなかで山本尚貴(TEAM MUGEN)はランキング3位と、もっとも厳しい立場にあった。だが、大逆転でのタイトル獲得に必要な予選ポールポジションの1ポイントを見事に獲得。それだけでなく、スーパーフォーミュラ最終戦、チャンピオン決定戦となる鈴鹿の予選Q1からQ3までですべてトップタイムと、速さだけではなく圧倒的な強さを見せつけた。同じタイトル候補の上位2人とは、どのような差があったのだろうか。

 この鈴鹿でランキング2位ながら、トップのニック・キャシディ(KONDO RACING)よりも経験値と実績、安定感の面で有力と思われていた石浦宏明(P.MU/CERUMO · INGING)は、予選Q2でまさかのノックダウン。

 石浦はアタックタイミングで前のクルマに詰まり、クリーンな形でアタックできなかった不運があっただけでなく、村田卓児エンジニアによると、マシンのセットアップもまとめられずグリップ不足の症状が改善しなかったという。

 石浦は決勝では11番手スタートとなり、チャンピオン争いは大きく後退。その一方、事前の予想ではもっとも厳しいと見られていた山本がポールポジションを獲得。ランキングトップのキャシディが4ポイント差ながら、予選4番手にとどまったことで山本とキャシディが並ぶ形の一騎打ち状態で決勝を迎えることになった。

 前回の岡山でノーポイントと、シーズン中盤以降低迷していた山本、得意のこの鈴鹿で見事に復活することになったわけだが、山本はどのようにして今回のポールポジションを獲得するに至ったのか。そこには山本の鈴鹿への絶対的な感覚の確かさと、計算し尽くされた読みが潜んでいた。

 まずは予選Q2のトップ山本のタイム(1分38秒008)と、7番手キャシディ(1分38秒511)のセクタータイムを比較してみよう。

セクター1/2/3/4
山本   26.8/15.9/36.5/18.7(秒)
キャシディ 26.5/16.1/36.9/18.8(秒)

 1周のタイムは山本の方がコンマ5秒速いにも関わらず、セクター1ではキャシディの方がコンマ3秒速い。キャシディはセクター2以降で、山本に比べてタイムを落としているのがわかる。

 今回の予選、山本はアウトラップの翌周(計測1周目)にアタックを行っているのに対し、キャシディはアウトラップ〜ウォームラップ〜(計測2周目)アタックを行っている。結果的にキャシディはアタック途中でタイヤのグリップのピークが過ぎて、タレ始めているとみられるが、今回の予選では計測2周目にアタックを行うドライバーがほとんどだった。

 次に、山本のQ2(1分38秒008)と、Q3(1分37秒909)のセクタータイムを比較してみた。

セクター1/2/3/4
Q2山本 26.8/15.9/36.5/18.7(秒)
Q3山本 26.5/15.9/36.5/18.8(秒)

 予選Q3では山本はQ2のセクター1の遅れを取り戻していることが分かる。その違いを予選後の山本に聞いた。

山本尚貴が振り返る予選アタックと、『鈴鹿マイスター』たる所以


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